作物の育種法は,その生殖様式の違いで大きく異なる。自殖性作物(自家受粉作物)とは,両性花を持ち,同じ個体の雌ずいと雄ずいの間での受精がもっぱら行われるものである。
自殖弱性と雑種強勢
1909年にG.H.ShullやE.Eastが,自家受粉やきょうだい交配を繰り返した育種材料(近交系)を作り,近交系同士を交配して多収で均一な単交配をつくることを提唱し,これが雑種強勢育種(ハイブリッド育種あるいはF1育種)法の起源となった(Poehlman,1979).他殖性作物は自殖弱勢がおきるが,近交系同士の交配をすると,組合せが適切である場合(そのため組合せ能力の検定を行う),そのF1の生育はきわめて旺盛となる。これを雑種強勢という。この方法により,トウモロコシの育種方法は劇的に変った。
遺伝子組み換え技術は生産効率を飛躍的に高めるため、地球規模での食糧難打開のためにも非常に有効だが、一方で特定の企業が世界の食糧生産の鍵を握ってしまう危険性や、環境や人体への安全性を危惧する指摘もされている。また消費者にとってはまだ不安が解消されているとは言えない。その不安は情報不足からもたらされているところが大きいのだが、遺伝子組み換え食品に対する消費者の強い反発を受けて、食品会社は遺伝子組み換え作物を原料としては使わない方向にむかいつつある。遺伝子組み換え食品に対する消費者の漠然とした不安感に対して、科学的な説明で応えていくことがこれからの課題といえるだろう。
作物育種学レポート
「作物の繁殖の仕方と育種法の関係について」
1.作物の繁殖の仕方
多様性に富む ↓ 優性繁殖・・・・他殖(野生の植物はこれが多い) ・・・・自殖・・・品種性に富む(農作物はこれに当てはまる) 無性繁殖・・・栽培植物はこれに当てはまる
自家受粉は自家受粉するごとにテヘロが半減し最終的にホモ(純系)になる。 他家受粉は集団の構造がはじめから変わらない。
2.育種法について
作物の育種法は,その生殖様式の違いで大きく異なる。自殖性作物(自家...