株式会社の設立―見せ金

閲覧数2,984
ダウンロード数10
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    1.日本での株式会社の設立は、法の定める手続きに従い手続きを行い完了すれば認可・許可などを経ることなく成立するという準則主義が採られている。設立の流れは、発起人が定款を作成し、作成した定款の公証人よる認証を受けた後に、株式の引き受けを行い、株式の引き受けが実際にあったことを示す金融機関からの保管証明を添えて設立登記を経ることで会社は設立される。
    (1)資本充実原則
    設立に際して会社の資金の集め方によって「募集設立」と「発起設立」に分けられる。「募集設立」とは、発起人が会社の設立に際して発行する株式の総数の一部のみを引き受け、残部を一般から募集して行うものを言う。「発起設立」とは、発起人が会社の設立に際して発行する株式の総数を引き受けて行うものをいう。この、資本金について、株式会社が財貨の集まりである「物的会社」であり、社員が有限責任社員のみで構成され、債権者保護・取引安全の見地から、会社は資本を充実(維持)することが強行規定で義務付けられている(資本充実原則)。
    (2)見せ金
     本問はいわゆる「見せ金」による設立である。見せ金とは、株式会社の設立又は新株の発行に際して、発起人等が払込取扱銀行以外の第三者から借財して株式の払込金に充て、設立等の登記完了後に引き出して借財の弁済に充て、株式の払込を仮装することである。こうした仮装行為が払込取扱銀行の役職員と通謀してなされた場合は、「預合」として商法で禁止される行為に当たる。違反したものは懲役5年または500万円以下の罰金が科される(商法491条)。商法が違反者に刑事罰を予定していることからも、株式会社における資本充実は経済の安定のために非常に重要なことである。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    会社法Ⅰ
    株式会社の設立―見せ金
    問題)甲株式会社は発起設立により設立された会社で、設立登記を済ませたが、発起人代表Aは、他の発起人の同意を得て、Bから払い込み資金を借り入れ、発起人全員の払い込み資金に充当した。Aはその後代表取締役に就任し、設立登記直後に株式払込取扱銀行であるC銀行から払込金相当額の払い戻しを受けて全額Bに返済した。この場合の法律関係について論じなさい。
    1.序論
    (1)資本充実原則
    (2)見せ金
    2.見せ金の有効性
    (1)判例
    (2)学説:①有効説 ②自説、通説
    (3)具体的基準
    3.あてはめ
    1.日本での株式会社の設立は、法の定める手続きに従い手続きを行い完了すれば認可・許可などを経ることなく成立するという準則主義が採られている。設立の流れは、発起人が定款を作成し、作成した定款の公証人よる認証を受けた後に、株式の引き受けを行い、株式の引き受けが実際にあったことを示す金融機関からの保管証明を添えて設立登記を経ることで会社は設立される。
    (1)資本充実原則
    設立に際して会社の資金の集め方によって「募集設立」と「発起設立」に分けられる。「募集設立」とは、発起人が会社の...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。