植物は光合成で太陽光をエネルギーに変換して生命維持に必要なエネルギーを自ら得ており、その反応は葉緑体内部のチラコイド膜内で起こっている。まず、アンテナクロロフィルが光エネルギーを吸収し、反応中心クロロフィルへエネルギーを伝達する。次に反応中心クロロフィルからキノンへの電子移動反応が起こる。この電子が伝達されてブドウ糖が生成される。(図1)
このようにチラコイド膜内における光誘起後の初期過程は大変重要な光合成反応の過程の一つであり、その過程の研究は自らエネルギーを作り出すことができない人間が太陽光を資源エネルギーとして活用するためにも重要である。
そこで、本研究ではチラコイド膜のモデル膜としてDMPGベシクルを用い、電子供与体であるクロロフィルのモデルとして類似物質である脂溶性ポルフィリンを、電子受容体にはキノン類を用いて光合成モデルを構築して、DMPGベシクル膜内での脂溶性ポルフィリンからキノン類への光誘起電子移動反応 (図2)を蛍光減衰測定により調べた。
卒業論文
DMPGベシクル中のポルフィリンのキノンによる蛍光消光反応
目次
1. 緒言
2. 試薬
3. 実験
Ⅰ 薄膜法によるベシクル水溶液の調製
Ⅱ 蛍光減衰測定
Ⅲ ベシクル中におけるキノン類の分配係数の決定
4. 結果と考察
Ⅰ 蛍光減衰測定
Ⅱ キノン類の分配係数の決定
5. 結論
6.参考文献
1. 緒言
植物は光合成で太陽光をエネルギーに変換して生命維持に必要なエネルギーを自ら得ており、その反応は葉緑体内部のチラコイド膜内で起こっている。まず、アンテナクロロフィルが光エネルギーを吸収し、反応中心クロロフィルへエネルギーを伝達する。次に反応中心クロロフィルからキノンへの電子移動反応が起こる。この電子が伝達されてブドウ糖が生成される。(図1)
このようにチラコイド膜内における光誘起後の初期過程は大変重要な光合成反応の過程の一つであり、その過程の研究は自らエネルギーを作り出すことができない人間が太陽光を資源エネルギーとして活用するためにも重要である。
そこで、本研究ではチラコイド膜のモデル膜としてDMPGベシクルを用い、電子供与体であるクロロフィルのモデルとして類似物...