自由エネルギーについて

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    資料紹介

     一般に、ある一組の出発物から別の一組の生成物に至る反応は、活性化エネルギーが低ければ、また反応の結果として正味のエネルギー放出があれば促進されると言える。言い換えると、反応の障壁が低ければ低いほど、また生成物が安定であればあるほど(すなわち生成物のエネルギーが低ければ低いほど)それだけ反応は起こりやすい。しかし、「活性化エネルギー」と「反応熱」という概念は、複雑なものである。化学反応の過程を論ずる場合、これらの二つのパラメーターを、それぞれその反応の活性化自由エネルギー(ΔG≠)と自由エネルギー変化(ΔG)という二つのパラメーターに置き換えるともっと正確なものになる。
     「自由エネルギー」という言葉は、化学反応の過程に影響を与える二つの独立した因子を考慮に入れたものである。この二つの因子とは、出発物と生成物の間のエンタルピーの差(ΔH)と、エントロピーの差(ΔS)である。エンタルピー差からは、一定圧における反応熱が明らかになる。
     エントロピーは「無秩序さ」あるいは「乱雑さ」の効果と考えてよい。化学的なものも、そうでないものも含めて、すべての系は、基本的には最も無秩序な状態に向かって進む傾向をもっているものである。このため原子、分子あるいは、官能基の運動の自由度がより大きい生成物に至るような化学反応が、より好ましいエントロピー変化を示し、これが反応を推進する力に寄与している。もし逆に運動の自由度が小さくなるようならば、エントロピーは反応を抑制するように作用する。運動の自由度には、化学結合の周りでの回転の自由度と、「並進」の自由度(すなわち空間における自由な分子運動)が含まれている。したがって、固体が溶融して生じる液体は、元よりもエントロピーが大きくなる。

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    自由エネルギー エンタルピーとエントロピーについて
     一般に、ある一組の出発物から別の一組の生成物に至る反応は、活性化エネルギーが低ければ、また反応の結果として正味のエネルギー放出があれば促進されると言える。言い換えると、反応の障壁が低ければ低いほど、また生成物が安定であればあるほど(すなわち生成物のエネルギーが低ければ低いほど)それだけ反応は起こりやすい。しかし、「活性化エネルギー」と「反応熱」という概念は、複雑なものである。化学反応の過程を論ずる場合、これらの二つのパラメーターを、それぞれその反応の活性化自由エネルギー(ΔG≠)と自由エネルギー変化(ΔG)という二つのパラメーターに置き換えるともっと正確なものになる。
     「自由エネルギー」という言葉は、化学反応の過程に影響を与える二つの独立した因子を考慮に入れたものである。この二つの因子とは、出発物と生成物の間のエンタルピーの差(ΔH)と、エントロピーの差(ΔS)である。エンタルピー差からは、一定圧における反応熱が明らかになる。
     エントロピーは「無秩序さ」あるいは「乱雑さ」の効果と考えてよい。化学的なものも、そうでないものも含めて...

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