資料:2件
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中国少数民族と漢族における共通話について
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中国は漢族と55個の少数民族からなる多民族国家である。朝鮮族はその55個の少数民族の中の一つである。朝鮮族は中国国内で独自の言語(朝鮮語)を持っていながら漢族との接触を求めて「普通話」を習っている。つまり朝鮮族と漢族の接触における共通語は北京語(関話)を基準とする「普通話」である。ここでは、朝鮮族の起源、少数民族地域における言語教育、今日の共通語使用に至るまでの変容などを踏まえながら、朝鮮族自治州における共通語(普通話)の実態について述べていく。
1.朝鮮族の起源と今日
朝鮮族は元々中国に居住していた民族ではない。清の時代、朝鮮では農村が疲弊して多くの農民が豆満江を越えて満州(現在の東北地区)に入り込んだ。その後、朝鮮は日本に殖民地化され、土地を失った朝鮮農民が満州に流亡し始めた。1932年満州国が成立すると新天地を求めて満州に渡る朝鮮人がさらに急増した。このように生計を維持するために中国に入り込んだ朝鮮人が当時は300万人もいたと言われている。満州国の崩壊と朝鮮の解放によって多くの朝鮮人が帰国し、約100万人が中国に残留したが、これが今日の朝鮮族の起源となった。
中国共産党は建国後、1952年民族区域自治実施要綱を発表し、55の少数民族に自治権を付与した。このような民族保護政策があって、現在中国国内には朝鮮族が約200万人も住んでいる。居住分布を見ると、東北地区(旧満州)に集中しており、中でも吉林省に約120万人が住んでいる。吉林省南部には延辺朝鮮族自治州が誕生されており、首府延吉市には中国語と朝鮮語で教育する延辺大学も設置されている。
ここまで朝鮮族の起源と今日について述べてきたが、そもそも朝鮮人が中国に入り込む当時は「普通話」という共通語がなかっただろう。共通語がない当時はどうやって現地の漢人たちに自分の意思を伝達しただろう。
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