キリスト教と政治
・キリスト教の普遍性
キリスト教・・・普遍性を志向する宗教。
キリスト教の教義
?人類全体の罪からの解放(真の自由)
?神からの聖霊がすべての人々に注がれていること
?神の前にすべての人々は兄弟であること
・キリスト教の政治的親和性
キリスト教は「政治的なるもの」に対して「親和性」のある宗教である。
親和性・・・この二つのものが本来的には無関係だが、キリスト教が「政治的なるもの」を教義として拒絶することなく、自覚的に接触する性質があることを意味する。
競技的特徴
?自然神ではなく人格神である神一人が全宇宙の創造者にして支配者であること。
?神と人間との間の正しい関係を協調して、その正しくない関係を罪と規定した。
?共同体(教会)を重視しその発展に心血を注いだ。
キリスト教は間接的にではあるがこの世の秩序に強い関心を抱く宗教。
?歴史に強い関心を抱き、信仰に生きることは具体的に歴史にかかわることであることを説く。→この歴史とは神による宇宙の創造から完成の全過程を意味し、そしてまたその中の一環としての人類の歴史を意味する。
正しい信仰の生き方・・・歴史の方向が神の意思に沿ったものであるよう可能な限り努力すること。
・キリスト教の政治思想史的意義
ヨーロッパ・キリスト教世界の成立
中世の政治世界
・政治文化の諸原理
キリスト教・・・政治文化の基礎をなす諸原理の一つとなった。
ヨーロッパ文明の基礎を構成するもの
ゲルマン人の慣習
ギリシア哲学
ローマの法律・政治の原理と制度
キリスト教(ラテン語で聖書と教義が記述されたラテン・キリスト教)
四つの構成要素は、ヨーロッパ文化の中に育った哲学、宗教、芸術などの多くの人間の営みを規定しているが中世政治の思想と制度は源泉をさかのぼって分別してみると四要素が強く複雑に絡み合っている。
・政治権力の正当性
支配の仕方
もっとも粗暴な形・・・物理的強制力・武力でもって支配者は被支配者たちを黙らせ、支配意思を貫徹させて社会を秩序付けようとする方法。
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この方法は支配者に多大なエネルギーとコストを強いるゆえに、もっとも稚拙な支配のあり方である。
最も洗練された形・・・支配者と被支配者を含めた政治的共同体の中にすべての人々が信奉する共通の価値意識(キリスト教)が存在して特定の「権威」が成立し、その「権威」に人々が服従することで人間集団が社会的に秩序づけられるあり方。
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この「権威」に対して人々...