公会議主義の政治思想
・公会議主
公会議主義の理論
?教会はキリストの身体であり、その真の首はキリストである。教皇の地位は首なるキリストに従属する。
?教会は普遍的な存在であり、キリストから与えられたその根源的権威はすべての信仰者の集合体である教会全体に属するのであって、教皇には属さない。
?信仰者すべての代表から構成される公議会はキリストから直接、「至高権」を与えられ、これは教皇の権威と権力よりも優越する。
?公会議はキリストによって指導され、聖霊によって真理・正しい道を示される。それ故、公会議は信仰において誤ることなき普遍的教会の真理を教皇より正しくかつ十分に体現するのである。したがって、公会議は教皇ぬきで招集され、教皇に服従を要求し、教皇を罷免することができる。
?公会議は、教会が大分裂、堕落、腐敗に陥った際には、教会を統一し、改革する義務と責任を有する。
ウイリアム・オッカム
・唯名論
オッカムの哲学によると、真に実在している物事は特殊的・個別的なもののみであって、それらは直感によって認識される。「普遍」は単に概念記号としてのみ妥当し、普遍的事物なるものは存在しない。
さらにオッカムは、13世紀のスコラ神学者によって達成された神学と哲学の統合、信仰と理性の調和を否定し両者を分離させるものであった。
世俗的権力の独立
オッカムの理性出発点
人間は自らの支配者を選ぶ自然的権利を所有するという考え
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人々からなる共同体は自らの自由意志で支配者を定め、自発的に服従する
また、オッカムは他方で非キリスト教徒でも正統的支配権が存在していた事実を指摘
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世俗政治権力の独立性を論証した。
公民議会運動 「世の中の終わり」の始まり
a.政治史・時代状況
・ローマ教会の権威の衰退
「公会議主義者」が問題にしたのは、全教会の権威が皇室一人に属するのか、それとも公会議に属するのかというものであった。そして、公会議が教会統治において最高にして最終の審議・判定の権限と能力を有すると主張した。
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