資料:4件
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原因において自由な行為
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責任能力が欠如するときは、違法行為に出たことについての法的非難が不可能であるから、犯罪は成立しない。責任能力が著しく低減するとき、犯罪は成立するが、刑は必ず減刑される(39条参照)。しかし、構成要件に直接的に該当する行為(結果犯の場合であれば、最終的な結果惹起行為)の時点(これを「結果行為」の時点という)において行為者が飲酒等による一時的な責任無能力ないし限定責任能力の状態にあっても、それに先行する時点(すなわち、「原因行為」の時点)において責任能力が認められるとき、39条の適用を否定して、完全な責任を肯定しえる場合があるのではないか。これが、「原因において自由な行為」の問題である。
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レポート
法学
刑法
原因において自由な行為
責任能力
- 550 販売中 2006/01/28
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刑法総論 犯罪論「原因において自由な行為」
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刑法総論
犯罪論-責任
原因において自由な行為
1.総論
(1)責任能力の本質
違法行為を行った行為者に責任を負わせるためには、刑事責任を負担するに足りるだけ
の能力(責任能力)を有していることが必要である。この責任能力の本質については、い
くつかの理解がある。
刑罰適応性(受刑能力)説は、社会的責任論、旧決定論の立場からの説明で、責任とは、
社会的に危険な人格の持ち主であることを根拠に負うべき負担である。違法行為を行った
者は全て社会的には危険であるから、責任能力者と無能力者を区別することはできない。
刑法が責任無能力者を罰しないのは、刑の目的を達成しうる能力が異なることからくる差
別待遇であると説く。これは、「非難」という概念を用いない点が特徴であるが社会的責任
論が支持を失った今日、これを主張するものはいない。
(2)有責行為能力説
現在の通説となっているのが有責行為能力説で、これは、道義的責任論つまり、責任と
は非難であるが、その非難は倫理的なものではなく、法的なものであるとする法的責任論
の立場から主張されるものである。責任の根拠は、自由な意思決定が可能であった者が、
違法行為を避けて適法行為を行うことが可能であったのにこれをしなかったことに対する
非難にあるのだから、自由な意思決定が可能でないものに道義的責任はないと説く。この
説は、責任能力者にのみ自由意志があるとする点が特徴である。今日では、この理解が一
般的で、自由な意思決定が可能でない状況の違法行為については、その責任能力を否定す
る「個別行為責任」の考えが定着している。これにより導かれるのが、「実行行為と責任能
力の同時存在の原則」である。しかし、ここでは、「原因において自由な行為」についての
責任能力が問題となる。
2.原因において自由な行為
(1)序論
「実行行為と責任能力の同時存在の原則」とは、責任能力は実行行為のときに備わって
いなければならないとする原則であるが、責任無能力あるいは限定責任能力の状態で違法
行為を行うことにつき事前に故意または過失があったような場合である「原因において自
由な行為」の理解について問題が生じる。
責任無能力とは、精神の障害により、是非善悪を弁識する能力(弁識能力)がなく、ま
2
たはその能力に従って行為する能力(制御能力)がない状態である、心神喪失の状態を指
し、刑法39条1項は、心神喪失者の行為を罰しないと規定している。一方、限定責任能
力とは、精神の障害が弁識能力や制御能力が欠如する程度には達していないが、その能力
が減退している心神耗弱状態を指し、39条2項は、心神耗弱者の行為についての刑を必
要的減刑すると定めている。しかし、行為の時には責任無能力あるいは限定責任能力であ
ったが、それについて事前に故意・過失がある場合の責任はどのように解すべきであろう
か。
(2)学説
多くの学説は、原因において自由な行為について責任能力を理由とする免責を認めずに、
処罰するための理論構成を試みている。
①間接正犯類似説・・・原因設定行為を実行行為と解し、実行行為と責任能力の同時存在の原
則を維持しようとする説。この説には、実行行為の概念を不当に拡大し、未遂犯の成立を
非常に早い時点で認めざるを得ない、限定責任能力中の違法行為に対し原因において自由
な行為の理論を適用し得ないとの問題点がある。
②実行行為と責任能力の同時存在の原則を緩和し、実行行為でなく「行為」の開始時に責
任能力があればよいとする説。この説
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法学
責任無能力
心神耗弱
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責任能力
原因において自由な行為
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