文字通り、『仏の教え』が仏教である。その原始、創めであるのが仏陀(覚者)による悟りだ。仏教とは『仏になるための教え』でもあるのだが、釈迦はその言葉通り入滅し、仏となる。彼が生まれ、悟り、入滅するまでの様々なエピソードが現代にも伝わっているのだが、今回は悟るまでの釈迦を探っていこうと思う。
釈迦の出生はとても奇妙なものであり、キリストと同様に女性の腹からのものではない。此岸に生まれてくる前、釈迦は兜率天から場所や親となるべき人物を入念に選び、自身の意志によって摩耶夫人の胎内に入りこんだという伝説が残っている。その時の姿は六牙の白象で、右脇からによる。そして生まれる時もまた右脇からであり、七歩進んだ後、蓮の花の上にて、おもむろに右手を天に、左手を地に向ける。恐らく、その時冷静だったのは摩耶夫人のみだったと推察するが、釈迦は『天上天下唯我独尊』と宣言した。伝説に伝説を上乗せたような出生場面だが、とても興味深いものである。
原始仏教を探る
文字通り、『仏の教え』が仏教である。その原始、創めであるのが仏陀(覚者)による悟りだ。仏教とは『仏になるための教え』でもあるのだが、釈迦はその言葉通り入滅し、仏となる。彼が生まれ、悟り、入滅するまでの様々なエピソードが現代にも伝わっているのだが、今回は悟るまでの釈迦を探っていこうと思う。
【恨みは大小便に】
釈迦の出生はとても奇妙なものであり、キリストと同様に女性の腹からのものではない。此岸に生まれてくる前、釈迦は兜率天から場所や親となるべき人物を入念に選び、自身の意志によって摩耶夫人の胎内に入りこんだという伝説が残っている。その時の姿は六牙の白象で、右脇からによる。そして生まれる時もまた右脇からであり、七歩進んだ後、蓮の花の上にて、おもむろに右手を天に、左手を地に向ける。恐らく、その時冷静だったのは摩耶夫人のみだったと推察するが、釈迦は『天上天下唯我独尊』と宣言した。伝説に伝説を上乗せたような出生場面だが、とても興味深いものである。
注目すべき点は、釈迦が誕生した場所はルンビニ園だが、生活を送っていた場所はそこから約23キロ離れたカピラバストという事だ。これは玄奘法顕...