「栄養素の代謝についてまとめよ。」
ヒトが生きていくためには、主な食物として糖質、脂質、たんぱく質が必要とされる。これらは3大栄養素とよばれている。それ以外のビタミン、ミネラルなどは副栄養素とよばれ、体の働きの調節などに役立っている。
3大栄養素は吸収された後、細胞内で一部は細胞固有の構成成分をつくり、大部分は分解され細胞に必要なエネルギーを生み出す。この物質の流れを代謝といい、細胞内で高度に組織化された多数の化学反応が関与している。代謝には、同化と異化がある。同化は建設的代謝ともいわれ、細胞の成長とすべての組織の維持に必要な合成過程である。異化は破壊的代謝で、すべての体内と体外の活動に必要なエネルギーの生産にかかわる連続的な過程である。また異化は、体温を維持し、複雑な化合物を単純な物質に分解し、腎臓、腸、肺、皮膚から老廃物を体外に排出する働きもある。
ここでは、3大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質の代謝について述べ、また、生体内代謝がいかにして調節されているかについてもふれたい。
1 糖質代謝
糖質は、消化管から、主としてグルコース(ブドウ糖)のような単糖として吸収され...