免疫学概論 臓器移植における拒絶反応は、免疫反応である。どのような仕組みで拒絶反応が起こるのか、それを防ぐ方法と

閲覧数7,083
ダウンロード数15
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    臓器移植とは、病気等のため臓器が回復する見込みのない場合、他の人の臓器を移植して、正常な働きをさせようとする治療法のことである。現在移植できる臓器は、心臓、肝臓、腎臓、骨髄または血液幹細胞、角膜、膵臓、肺、皮膚等で、外科手術や免疫抑制方法の進歩で多くの器官や組織が移植できるようになってきている。
    移植手術で起こる大きな問題は、臓器をうけるレシピエントの免疫系が働いて、拒絶反応が起こることである。この拒絶反応はどのような仕組みで起こるのか、また、それを防ぐ方法と問題点について述べる。
    1 免疫反応と拒絶反応
    人間の体は、細菌、ウイルス等、本来自分の体に属していない異物が侵入してきたとき、攻撃して異物を排除しようとする一連の反応を起こす。これを免疫反応といい、体を病気から守るための不可欠の役割を果たしている。ところが臓器移植の場合、移植された臓器も異物とみなされるため、攻撃の対象となってしまう。これが拒絶反応である。
    (1) 拒絶反応のメカニズム
    人間の白血球の膜の上にある抗原(HLA抗原)はABO式血液型のように各自で型が決まっており、型の異なるHLA抗原を持つ組織が体の中に入ると、免疫の見張り役のマクロファージがこれを見つけ、異物の侵入を免疫の司令官であるTリンパ球(ヘルパーTリンパ球)に知らせる。その情報を得たヘルパーTリンパ球は、異物を破壊する力を持つ他のTリンパ球(細胞傷害性Tリンパ球)を動員して移植臓器の細胞に侵入し、攻撃する。ヘルパーTリンパ球はまたBリンパ球に抗体を作るように促す。抗体は移植臓器の血管にとりついてこれを壊す。こうして移植臓器は破壊されてしまうのである。
    (2) 拒絶反応の種類
    ? 超急性拒絶反応
    移植直後から発生し、24時間以内に拒絶される激しい拒絶反応で、血管が縫合されて血流を再開した後、数分から数時間以内に、移植臓器の動脈は血栓で詰まってしまう。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

     「臓器移植における拒絶反応は、免疫反応である。どのような仕組みで拒絶反応が起こるのか、それを防ぐ方法と問題点について述べよ。」
    臓器移植とは、病気等のため臓器が回復する見込みのない場合、他の人の臓器を移植して、正常な働きをさせようとする治療法のことである。現在移植できる臓器は、心臓、肝臓、腎臓、骨髄または血液幹細胞、角膜、膵臓、肺、皮膚等で、外科手術や免疫抑制方法の進歩で多くの器官や組織が移植できるようになってきている。
    移植手術で起こる大きな問題は、臓器をうけるレシピエントの免疫系が働いて、拒絶反応が起こることである。この拒絶反応はどのような仕組みで起こるのか、また、それを防ぐ方法と問題点について述べる。
    1 免疫反応と拒絶反応
    人間の体は、細菌、ウイルス等、本来自分の体に属していない異物が侵入してきたとき、攻撃して異物を排除しようとする一連の反応を起こす。これを免疫反応といい、体を病気から守るための不可欠の役割を果たしている。ところが臓器移植の場合、移植された臓器も異物とみなされるため、攻撃の対象となってしまう。これが拒絶反応である。
    (1) 拒絶反応のメカニズム
    人間の白血球の...

    コメント1件

    hiyoshi226 購入
    参考になりました
    2007/06/02 22:13 (17年7ヶ月前)

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。