☆ 精神病と犯罪
刑事裁判で心神喪失(責任無能力)が認められると無罪となるが、こうした者に対しては、精神保護法に基づき、都道府県知事の命令による措置入院が行われる。しかし、この処分は裁判所によって言い渡された司法処分ではなく、行政処分の一種であり、その運用状況にも様々な問題がある。また、精神科ベット数の85パーセントが民間精神病院に依存しており、こうした状況下で危険で問題の多い患者を入院させるには治療と保安の両面で不十分といわれる。そこで、改正刑法草案では、刑罰と並ぶ新しい制裁制度として精神障害犯罪者に対する治療処分制度を導入し、その治療を保護を図ろうとしている。しかし、この草案に対しては、あまりに保安を重視しすぎているといった批判があり、諸外国の実態に学びつつ、患者の治療と保護を十分に補償できるような治療処分制度が模索されている。
犯罪学レポート(No3)
精神病と犯罪
刑事裁判で心神喪失(責任無能力)が認められると無罪となるが、こうした者に対しては、精神保護法に基づき、都道府県知事の命令による措置入院が行われる。しかし、この処分は裁判所によって言い渡された司法処分ではなく、行政処分の一種であり、その運用状況にも様々な問題がある。また、精神科ベット数の85パーセントが民間精神病院に依存しており、こうした状況下で危険で問題の多い患者を入院させるには治療と保安の両面で不十分といわれる。そこで、改正刑法草案では、刑罰と並ぶ新しい制裁制度として精神障害犯罪者に対する治療処分制度を導入し、その治療を保護を図ろうとしている。しかし、...