資料:3件
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奉教人の死(人々の中に存在する神・信心の形)
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今回、私は芥川龍之介作品の中でも「奉教人の死」を課題の題材として取り上げたいと思う。「奉教人の死」は「れげんだ・おうれあ」という架空の福音書から伝承された聞き語りの形で始まる。そして主人公「ろおれんぞ」が女だと判明してからは、その語りはあたかもその場にいるかのような臨場感あふれる実況中継へと変化する。その臨場感から、私たち読者は美的感動や宗教的な感動を大いに感じ取ることができるのだ。このように文体論から見ても「奉教人の死」は非常に魅力的な題材だと思われるが、このレポートではこの作品の典拠となった作品として挙げられる作品の中で
・ 新村出「南蛮記」
・ フローベル「聖ジュリアン伝」
・ エドガァ・アラン・ポオ「詩の原理」
この三作品と比較することによって「奉教人の死」への考察、特に「神を信じる心」に注目して考察を深めてみたい。
まず比較したうえの印象は、三作品ともにそれほど典拠されてはいないというものである。「聖ジュリアン」はキリストに例えられている主人公など、参考にされていると思われる部分も多々あるが、主人公の在り方や、その生い立ちなど相違点も多い。第一に主人公が男である上に、父母がいるという点で「奉教人の死」と大きく違う。しかしながら、主人公は貴種流離譚的な立場や、神の施しによって命を長らえるところ、そして命を懸けて人を守り、そのまま天に召されるなど、三作品のなかでは共通点が一番多いと思われる。また、どちらの主人公にも異性の相棒的立場の人間がいることも、大きな共通点である。「詩の原理」のなかに入っている詩の中には、「奉教人の死」の登場人物の心情に当てはまるものが幾つかある。トーマス・ムーアの「アイルランド歌曲集」に入っている詩は、「えけれしあ」を追われる時の「ろおれんぞ」に対する「いるまん」の心情を表していると思われる。またもう一つのムーアの詩は、この物語における「ろおれんぞ」の障害を決定づけているように思われる。多々相違点はあれど、彼女が孤独な身の上であったことや、虐げられたことはこの詩に由来されていると思われる。
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レポート
日本文学
軍記物語
奉教人の死
信心
芥川龍之介
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深読み芥川龍之介(2)「奉教人の死」論
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『奉教人の死』を読んで―なぜ「ろおれんぞ」は女であることを隠したのか
私はこの話を読んで、なぜ「ろおれんぞ」が男装したことについて、「ろおれんぞ」自身に理由を求めるのか疑問に思った。なぜなら「ろおれんぞ」を女性に設定し、最後まで隠していたのは明らかに作者の意図であり、それがこのテキストのテーマに関わってくるからである。
志賀直哉は、「主人公が死んで見たら実は女だつたといふ事を何故最初から読者に知らせて置かなかつたか」と批判しているが、テキストの前半部分には、結末で読者を混乱させないように、「ろおれんぞ」が女であることの伏線が施されている。「顔かたちが玉のやうに清らかであつた」「声ざまも女のや
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芥川龍之介
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