自己決定という考えの広まりによって、現在は自分の死までも選ぶことが可能になりつつある。それが尊厳死という考え方である。この考えは人生の最期を自分で決めることができるという点で優れているものの、実践するとなるとさまざまな問題が生じる。例えば本人と家族の意見が食い違う場合はどうするか、子どもの場合はどうするか、そもそも死期が近いことを患者に告げてよいのか、などといったものがある。さらに日本には尊厳死についての法整備がされていないのも大きな問題である。
安楽死・尊厳死について
自己決定という考えの広まりによって、現在は自分の死までも選ぶことが可能になりつつある。それが尊厳死という考え方である。この考えは人生の最期を自分で決めることができるという点で優れているものの、実践するとなるとさまざまな問題が生じる。例えば本人と家族の意見が食い違う場合はどうするか、子どもの場合はどうするか、そもそも死期が近いことを患者に告げてよいのか、などといったものがある。さらに日本には尊厳死についての法整備がされていないのも大きな問題である。1992年に日本医師会生命倫理懇談会が①延命治療の打ち切り②自然死の希望に添う③文書または本人の口頭指示④家族などの証...