私は、「Important of Being Earnest」を読んで、この話の中「Earnest」という言葉が示している「まじめさ」は、ここに登場してくる人物に対して、それぞれ表しているものが違うのではないかと考えた。
ヴィクトリア朝の中流階級生活の中で、「問題の多かった王室の権威回復のために打ち出した原則は4つあった」とされている。ここで打ち出されたものとは、「『義務』『道徳』『勤勉』『家庭性』」であった。(松村昌家『ヴィクトリア朝の文学と絵画』世界思想社.1993年.p.69)私は、この作品に登場する人物たちが、この4つの原則にぴったりと当てはまっていることに気づいた。またこれがこの題名の「Earnest」が意味している「まじめさ」ではないか、と考えた。
アルジャーノンとジャックに共通して見られるのは、「二つの名前を使い分けて女性を騙しながら、一方ではまじめな紳士を気取る二重生活は、実社会では鼻もちならない偽善者であり、ここではそのような生活態度をバンベリズムと称している」ことである。(山田勝『世紀末とダンディズム−オスカー・ワイルド研究−』創元社.1981年.p.53)ここで私は、「バンベリー」に対になる言葉が、「まじめ」なのではないかと考えた。
ここに書かれている通り、ジャックは田舎に帰ると若い娘の後見人という立場になるため、どうしても道徳的な「まじめ」にならざるを得ず、かといって享楽に耽りたい欲求も満たしたいため、「アーネスト」という架空の不良の弟を作り上げた。 “When one is placed in the position of guardian, one has to adopt a very high moral tone on all subjects. It’s one’s duty to do so.”と書かれているように、「後見人という立場になると、ありとあらゆることにおいて非常に高い『道徳』を持たなければならない。そうすることがその人の『義務』である」のだ。
「Earnest」とは一体何か。
私は、「Important of Being Earnest」を読んで、この話の中の「Earnest」という言葉が示している「まじめさ」は、ここに登場してくる人物に対して、それぞれ表しているものが違うのではないかと考えた。
ヴィクトリア朝の中流階級生活の中で、「問題の多かった王室の権威回復のために打ち出した原則は4つあった」とされている。ここで打ち出されたものとは、「『義務』『道徳』『勤勉』『家庭性』」であった。(松村昌家『ヴィクトリア朝の文学と絵画』世界思想社.1993年.p.69)私は、この作品に登場する人物たちが、この4つの原則にぴったりと当てはまっていることに気づいた。またこれがこの題名の「Earnest」が意味している「まじめさ」ではないか、と考えた。
アルジャーノンとジャックに共通して見られるのは、「二つの名前を使い分けて女性を騙しながら、一方ではまじめな紳士を気取る二重生活は、実社会では鼻もちならない偽善者であり、ここではそのような生活態度をバンベリズムと称している」ことである。(山田勝『世紀末...