ある沼地を舞台に生存をかけて闘い続ける大造じいさんとがんの残雪の生きざまを通して、人間の心の美しさや思いやりを描いた物語の教材である。大造じいさんの心情と残雪の行動が表れている言葉をとらえ、次第に残雪の行動に心を打たれていく姿をつかみ、人間としての心の美しさや思いやりを読み取らせたい。
物語を積極的に読み、強く感じたことをまとめようとする「関心・意欲・態度」。物語の感想や主題について自分なりに考え、文章にまとめ、発表する「表現の能力」。大造じいさんの考えや行動をもとにその心情の変化を理解する「理解の能力」。これらに指導のポイントがある。
場面の情景や様子を想像しながら読むことを通して、大造じいさんと残雪との心の交流を読み取ることができたか、気持ちの表れているところについて考える。残雪の行動を見て、どんな気持ちで見守っているのか、自分が大造じいさんになったつもりで言葉に表して発表する。
物語文を学習する意義は、登場人物の言葉・行動・心情の変化、そして叙述に注目して読みを深めることを通して、読書の楽しさを感じることにあると考える。それは、読みを深める力が付けば付くほど、より増していく。この作品は、大造じいさんの残雪に対する心の動き、その行動の細かい描写、心情の変化を表す優れた叙述など、児童一人一人が自分なりの考えをもって読みを深めるには最適の教材である。この教材の学習を通して、目的に応じ、内容や要旨を把握しながら読むことができるようにするとともに、読書を通して考えを広げたり深めたりしようとする態度を育てる。読書の目的としては、新たな知識を得る、考えを広げ深めるなど、様々なことが挙げられる。「大造じいさんとがん」によって読書の素晴らしさに気づくきっかけとなれば良い。
「テキスト「第2章 読むこと「大造じいさんとがん」」の事例と教材文の全文を読み、」
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ある沼地を舞台に生存をかけて闘い続ける大造じいさんとがんの残雪の生きざまを通して、人間の心の美しさや思いやりを描いた物語の教材である。大造じいさんの心情と残雪の行動が表れている言葉をとらえ、次第に残雪の行動に心を打たれていく姿をつかみ、人間としての心の美しさや思いやりを読み取らせたい。
物語を積極的に読み、強く感じたことをまとめようとする「関心・意欲・態度」。物語の感想や主題について自分なりに考え、文章にまとめ、発表する「表現の能力」。大造じいさんの考えや行動をもとにその心情の変化を理解する「理解の能力...