国際政治学5

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    資料紹介

     本章は日本のテロ対策の特徴を戦略文化という視点から考察してきた。ブースによる戦略文化の定義とは「戦略文化という概念は、力の行使あるいはその脅しに関して、一国がもつ伝統、価値、態度、行動パターン、慣習、シンボル、実績、そして環境に適応し問題を解決する特有の方法に言及するもの」である。
     戦略文化論がその対象としてきたものは核戦略だけではない。たとえば『国家安全保障の文化』では、化学兵器のタブーや人道的介入規範、毛沢東やソ連の政策などの多岐に渡る事例が取り上げられている。いずれも規範とアイデンティティが分析のキーワードになっている。
     テロは政治的行為とみなされるとするが、日本のテロ認識をかなえるうえで最も重要なことは、政治的なテロリズムすなわち右・左翼のテロ行為に対して、現代日本はその実行者や組織を国民の総意として、テロリストとみなして徹底的に非難、断罪することは無かった。この点こそが、日本のテロ対策が原則を欠き、組織と直接対決せず、被害管理に集中する理由の根底にあるだろう。
     日本の場合、テロの脅威が大きくないという合理的な理由付けだけではなく、戦後の平和規範や人権規範(?平和規範・・・平和に絶対的な目標価値を置き、手段も日本人が平和的と考える手段を行使すべきことを要請する。

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    国際政治学
    第5章 「戦略文化」と戦後日本のテロ対策
      本章は日本のテロ対策の特徴を戦略文化という視点から考察してきた。ブースによる戦略文化の定義とは「戦略文化という概念は、力の行使あるいはその脅しに関して、一国がもつ伝統、価値、態度、行動パターン、慣習、シンボル、実績、そして環境に適応し問題を解決する特有の方法に言及するもの」である。
    戦略文化論がその対象としてきたものは核戦略だけではない。たとえば『国家安全保障の文化』では、化学兵器のタブーや人道的介入規範、毛沢東やソ連の政策などの多岐に渡る事例が取り上げられている。いずれも規範とアイデンティティが分析のキーワードになっている。
    テロは政...

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