(1)障害児・者の社会への不満について
心身の障害という事実は、一般社会の伝統的な価値観からは歓迎されていない現状である。障害者問題の根源の一つは、まさしくそこにある、といっても過言ではない。障害者を取り巻く「心の壁」は、今なお無く残っている。無理解や偏見の改善・解消には、不断の努力を必要とする。こうした状況の下で、障害者自身が社会に対して平素抱いている不満は限りなくあるが、以下に主なものをあげてみる。
心身障害児・者の共通する心理的問題は何か述べなさい。
障害児・者の社会への不満について
心身の障害という事実は、一般社会の伝統的な価値観からは歓迎されていない現状である。障害者問題の根源の一つは、まさしくそこにある、といっても過言ではない。障害者を取り巻く「心の壁」は、今なお無く残っている。無理解や偏見の改善・解消には、不断の努力を必要とする。こうした状況の下で、障害者自身が社会に対して平素抱いている不満は限りなくあるが、以下に主なものをあげてみる。
①障害否定の考え方
動作が不自由である、コミュニケーションに支障がある、目が不自由である、というような事実は、たしかに社会生活を送るうえではいろいろな不便を伴う。したがって、健常者であれ障害者であれ、人間はすべて健常でありたい、という願望は自然発生的なものである。ここでの問題は、障害を負った人間としての障害者への否定的な態度に発展させるか、させないかということである。多くの障害者は、この点で社会一般に潜在的な不満をもっている。つまり人権が脅かされるような経験を、多くの障害者が持ち合わせていると考えてよい。
②他人からの視線
三...