1.医療保険制度の背景と現状
1961(昭和36)年に、国民皆保険制度が実現してから、40年近くが経過した。その間に、患者による医療機関の自由選択(フリーアクセス)の確保とともに、医療保険制度の充実によって、国民一人一人が等しく質の高い医療が受けられるようになったことは、わが国の誇りうる成果である。
しかし、近年、急速な人口の高齢化や医療の高度化等により、
我が国の医療保険制度の概要と問題点について述べなさい。
医療保険制度の背景と現状
1961(昭和36)年に、国民皆保険制度が実現してから、40年近くが経過した。その間に、患者による医療機関の自由選択(フリーアクセス)の確保とともに、医療保険制度の充実によって、国民一人一人が等しく質の高い医療が受けられるようになったことは、わが国の誇りうる成果である。
しかし、近年、急速な人口の高齢化や医療の高度化等により、医療費が増加する一方で、経済基調の変化に伴い、医療費の伸びと経済成長との間の不均衡が拡大してきている。今後のわが国の経済については、かつてのような高成長は期待し難く、このような不均衡が拡大していくと、医療費を賄うための国民の負担、特に若年世代の負担が高まり、国民皆保険制度そのものに対する信頼が失われるおそれがある。
また、就業構造や社会構造の変化に伴って、各医療保険制度の加入者の構成も、大きく変化してきている。制度間の加入者構成の違いを踏まえながら、今後、高齢化とともに増加していく老人医療費をどのように公平に負担し合っていくのか、また、どのように医療費の増加を改善していくのかが、大き...