権力と富を手にした者が窮境的に望むもの・・・それは不老不死である。エジプトのファラオも、ヨーロッパの王侯貴族も、秦の始皇帝もその例に洩れず、そのために莫大な資産を投じている。特に、秦の始皇帝については、「徐夫伝説」として語り継がれており、海を経て日本の和歌山にも伝わっている。また、中国3大発明の1つ、火薬は、長寿の薬を求める過程で出来たいわば「副産物」である。
日本の権力者も同様に不老不死の薬を求めた。正倉院には、宝物として60種の薬が収納されている。しかし、甘草・大黄・桂皮など、現在でも漢方薬として知られている一部の薬を除いて、大部分は正体不明である。
正体不明の薬のうち、「可梨勒」「紫雪」「金液丹」の3つの薬については、現代の科学のメスを入れることによって、その成分などが明らかとなった。
「漢方薬と健康(不老不死)」
権力と富を手にした者が窮境的に望むもの・・・それは不老不死である。エジプトのファラオも、ヨーロッパの王侯貴族も、秦の始皇帝もその例に洩れず、そのために莫大な資産を投じている。特に、秦の始皇帝については、「徐夫伝説」として語り継がれており、海を経て日本の和歌山にも伝わっている。また、中国3大発明の1つ、火薬は、長寿の薬を求める過程で出来たいわば「副産物」である。
日本の権力者も同様に不老不死の薬を求めた。正倉院には、宝物として60種の薬が収納されている。しかし、甘草・大黄・桂皮など、現在でも漢方薬として知られている一部の薬を除いて、大部分は正体不明である。
正体不明の薬のうち、「可梨勒」「紫雪」「金液丹」の3つの薬については、現代の科学のメスを入れることによって、その成分などが明らかとなった。
可梨勒
熱帯の木の実の一種。主な成分はタンニン。胃腸薬としての効果が認められる。
紫雪
近年まで、金沢でも製造されていた。原料は石膏・磁石・滑石・寒水石・金(小判105枚分)など。製法は、古来から伝わる手法によるもので、まず、左記の原料を煮た後、生...