東京福祉大学「社会心理学」のレポートの参考に。
「社会的相互作用について述べよ」
社会心理学というものは、まだ学問としては新しい学問である。それ以前からある、社会学という学問は臨床心理学の考え方が、臨床心理学という学問は社会学の考え方が、それぞれ必要だと感じたことで、社会心理学という学問が生まれたのである。
たとえば、ある事件が起こった場合、社会学では、マクロレベルでの社会の変化と人間一般の行動傾向との関係を分析して、その事件が起こった背景を探ろうとするだろう。一方、臨床心理学としての考え方は、その事件の被害者・加害者・周囲の人など、事件にかかわった人の心の背景にはどのようなものがあって、そのような行動が起こったのかという側面から事件を探ろうとするはずである。しかし、社会心理学としての考え方は、前述した社会学の考え方や、臨床心理学の考え方、そのどちらとも異なった考え方をする。社会に、あるいは人の心に、原因追求の目を向けるのではなく、事件が起こったその状況に目を向けて考えるのである。
1974年に神戸の繁華街で高校生が撲殺された。その高校生は、若い男性3人組と肩が触れ合い、言いがかりを付けられたため、その場から逃げようとしたもの...