そもそもこれにはケインズ経済学の基礎が前提となっている。古典派が供給サイドからGDPを決定したのに対し、ケインズの体系では『需要サイド』からGDPを決定する。例えば、愛する人が作った料理を全部食べるのは、まさに愛情があればこそである。出したものは全部食べるという『セイの法則』が成り立てば、供給サイドで需要の大きさまで決めてもよいはずである。しかしだんだん愛情も冷めてくれば、出されたものを全部食べられなくなるかもしれない。そのため国民経済計算では常に『総供給=総需要』が成り立つように工夫してある。つまり売れないモノを『投資』としてカウントすれば、総供給と総需要が等しくなるというカラクリなのである。このようにしてケインズ体系では需要の大きさがGDPを決定するわけだけ、支払能力のある需要のことを『有効需要』と呼んでいる。ケインズ経済学は『有効需要の原理』の上で成り立っているのである。まとめれば経済全体の有効需要は、家計の消費需要と企業の投資乗数からなるものなのである。
まず消費から見ていけば、個人の消費支出は、所得が増加すると、増大すると考えられるので家計部門全体としての財・サービスに対する需要も国民所得とともに増加すると言えるだろう。次に投資のほうを見ていくと、企業は財・サービスを生産し供給するだけではなく、生産された財を需要する経済主体でもあるのだ。投資は将来の生産水準や販売額を増加させることによって、企業に収益をもたらすことになるが、投資のために機械などの財を購入するには資金が必要になるので、借り入れた資金はもちろん将来利子を加えて変換しなければならない。そのため企業は投資から得られる利益とそのための資金費用とを比較して投資量を決定するのである。
そもそもこれにはケインズ経済学の基礎が前提となっている。古典派が供給サイドからGDPを決定したのに対し、ケインズの体系では『需要サイド』からGDPを決定する。例えば、愛する人が作った料理を全部食べるのは、まさに愛情があればこそである。出したものは全部食べるという『セイの法則』が成り立てば、供給サイドで需要の大きさまで決めてもよいはずである。しかしだんだん愛情も冷めてくれば、出されたものを全部食べられなくなるかもしれない。そのため国民経済計算では常に『総供給=総需要』が成り立つように工夫してある。つまり売れないモノを『投資』としてカウントすれば、総供給と総需要が等しくなるというカラクリなのであ...