<講義の概略>
○人間の情報処理システム
運動とは人間にとって非常に重要な要素であり、人間が生活していくうえでの行動の可能性を意味し、また知的行為や行動と同じように脳の活動によって行われる。この知覚運動制御に関わる情報処理としては、感覚・知覚・認知・運動が挙げられ、それらの処理は脳や脊髄、筋肉・骨格系で行われる。
情報の記憶については、手段記憶や知覚表象システム、意味記憶、一時記憶やエピソード記憶などがあり、これらを短期感覚貯蔵・短期記憶(STM)・長期記憶(LTM)などの記憶システムでそれぞれの対象に応じて分けて記憶されている。
運動の記憶に関して、その学習においてはパラドックスが生じることもある。例えば、ひとつの技術を練習するときに一定練習と多様性練習のどちらが効果的かという問題に対して、Shea & Kohl(1991)の実験では運動学習(長期記憶)における多様性練習の効果が明瞭に表されている。また複数の技術を練習するときにはブロック練習とランダム練習の場合では、結果的にはランダム練習のほうが大きな成果が上げられている。また情報は即時的に、正確に、頻繁に、豊富に与えると学習は効果的に進むというソーンダイク理論について、フィードバック(アドバイス)の与え方についての実験も行われたが、要約フィードバック(ある程度まとめてアドバイスをする)は練習中の反応では直接的フィードバック(逐一アドバイスを与える)よりも劣るが、学習効果の保持では優れているという結果が残されている。運動の記憶に関しては、練習中の反応が好ましくない方が学習成果の保持の面では優れているというパラドックスがある。
保険体育理論 レポート
人間行動としての知覚と運動
<講義の概略>
○人間の情報処理システム
運動とは人間にとって非常に重要な要素であり、人間が生活していくうえでの行動の可能性を意味し、また知的行為や行動と同じように脳の活動によって行われる。この知覚運動制御に関わる情報処理としては、感覚・知覚・認知・運動が挙げられ、それらの処理は脳や脊髄、筋肉・骨格系で行われる。
情報の記憶については、手段記憶や知覚表象システム、意味記憶、一時記憶やエピソード記憶などがあり、これらを短期感覚貯蔵・短期記憶(STM)・長期記憶(LTM)などの記憶システムでそれぞれの対象に応じて分けて記憶されている。
運動の記憶に関して、その学習においてはパラドックスが生じることもある。例えば、ひとつの技術を練習するときに一定練習と多様性練習のどちらが効果的かという問題に対して、Shea & Kohl(1991)の実験では運動学習(長期記憶)における多様性練習の効果が明瞭に表されている。また複数の技術を練習するときにはブロック練習とランダム練習の場合では、結果的にはランダム練習のほうが大きな成果が上げられている。また情...