寝たきりや痴呆の高齢者の急増、家族の介護機能の変化などから、高齢者介護問題は老後の最大の不安要因となっている。高齢者介護サービスは、これまでの制度においては、老人福祉と老人保健の二つの異なる制度の下で提供されていた事から、利用手続や利用者負担の面で不均衡があった。そのため、総合的、効率的なサービス利用が出来ないことがあった。今年度より施行されている、公的介護保険ではわが国に、初めて本格的な介護サービス(ケアマネンジメント)の仕組みを位置付けるものである。これまでの老人福祉制度は、行政がサービスの種類、提供機関を決めるため、利用者がサービスを自由に選択できない、老人保健制度は、介護を主たる目的とする一般病院への社会的入院といわれる長期入院が生じているなどの医療サービスが非効率的に提供されている面があった。介護を医療保険から切り離すと共に、医療については医療提供体制を含む総合的且つ抜本的な医療制度の改革を実施し、治療という目的にふさわしい制度とする事となっている。この介護保険は、適切な介護サービス計画(ケアプラン)の策定を通じ、高齢者の心身の状況、置かれている環境等に応じて、本人の自己決定を最大限尊重し、その選択に基づき、個人に適した保健・医療・福祉にわたるサービスが、多様な事業者・施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮されなければならない。これまで、老人福祉法に規定されていたホームヘルプサービス、デイサービス、特別養護老人ホーム等のサービスの大半が、介護保険法による給付に移行した。やむを得ない理由により介護保険によるサービスを受けることが著しく困難な場合、例えば、家族による介護放棄や虐待といった状況に置かれている高齢者における措置があるが、その様な費用については原則として公費負担となる。
寝たきりや痴呆の高齢者の急増、家族の介護機能の変化などから、高齢者介護問題は老後の最大の不安要因となっている。高齢者介護サービスは、これまでの制度においては、老人福祉と老人保健の二つの異なる制度の下で提供されていた事から、利用手続や利用者負担の面で不均衡があった。そのため、総合的、効率的なサービス利用が出来ないことがあった。今年度より施行されている、公的介護保険ではわが国に、初めて本格的な介護サービス(ケアマネンジメント)の仕組みを位置付けるものである。これまでの老人福祉制度は、行政がサービスの種類、提供機関を決めるため、利用者がサービスを自由に選択できない、老人保健制度は、介護を主たる目的と...