図画工作科の役割について考える際には、現行の学習指導要領が明示する目標を抜きにすることはできない。すなわち、「表現及び鑑賞の活動を通して、つくりだす喜びを味わうようにするとともに造形的な創造活動の基礎的な能力を育て、豊かな情操を養う」というものである。今回の学習指導要領は一部が「…つくりだす喜びを味わうようにする」と改善されており、ここでは学習の主体が子どもたちにあることを示し、子どもがものとの関わりを深め、見たり、描いたり、作ったりしながら、自分の思いや願いを表現する楽しさや喜びを味わうようにすることを教科のねらいとしている。この教科目標と、現行の教育課程の基準の中心に据えられている「ゆとりの中で生きる力をはぐくむことを重視する」考えとの関連を考えると、今後の図画工作科が果たすべき役割も明確なものとなってくるであろう。
これまでの学習指導要領と現行のそれとの大きな違いは「内容の整理統合」である。今回、児童一人一人がそのよさや可能性を発揮しながら創造性を高め、その喜びを味わえるようにするというこれまでの考え方は継承したうえで、授業時間の縮減に応じた内容の精選・統合が求められた。内容の精選・統合は同時に、その限られた創造活動を通して主体的かつ創造的に生きることを要求している。これが図画工作科における「生きる力」へとつながる役割でもある。
内容構成の変化の面から、その役割を考えることもできる。まず、「表現」領域においては、整理統合の結果、一人一人の表現の実態に応じて資質や能力の育成を図るようになった。そのため、児童が自らの力を働かせ、材料や表し方などを選んだり、試したりしながら、自己実現的な造形表現ができるような活動が多く取り入れられた。こうした弾力的な指導を推進する手段として、指導内容が教科書などで2学年ずつまとめられていることは、大きなことではないかと思う。
図画工作科の役割について考える際には、現行の学習指導要領が明示する目標を抜きにすることはできない。すなわち、「表現及び鑑賞の活動を通して、つくりだす喜びを味わうようにするとともに造形的な創造活動の基礎的な能力を育て、豊かな情操を養う」というものである。今回の学習指導要領は一部が「…つくりだす喜びを味わうようにする」と改善されており、ここでは学習の主体が子どもたちにあることを示し、子どもがものとの関わりを深め、見たり、描いたり、作ったりしながら、自分の思いや願いを表現する楽しさや喜びを味わうようにすることを教科のねらいとしている。この教科目標と、現行の教育課程の基準の中心に据えられている「ゆとりの中で生きる力をはぐくむことを重視する」考えとの関連を考えると、今後の図画工作科が果たすべき役割も明確なものとなってくるであろう。
これまでの学習指導要領と現行のそれとの大きな違いは「内容の整理統合」である。今回、児童一人一人がそのよさや可能性を発揮しながら創造性を高め、その喜びを味わえるようにするというこれまでの考え方は継承したうえで、授業時間の縮減に応じた内容の精選・統合が求められた。内容の精...