1.目的および原理
炭素原子と電気陰性な原子、C—Brの結合では、電子対は等しく共有されるのではなく炭素原子から電気陰性度の大きい臭素原子のほうへ少しひきつけられる。その結果C—Brの結合は分極ができる。このように分極した結合では、炭素原子に対して電子の割り当てが少し減少しているため、炭素原子は電子不足の状態と言える。このような電子不足炭素原子はその炭素原子と共有して結合を造るのに使えるような電子対をもっている反応種の攻撃を受けやすい。分子中のδ+電荷のところに攻撃してくる反応主を求核種という。
3.実験結果
丸底フラスコに、臭化カリウム、水、1−ブタノールを入れて、氷水浴で冷やしたあと、濃硫酸を加えると、溶液が黄色に変化し、煙が出た。このオレンジ色は硫化ブチルである。その後、白色と黄色の2層になった。
一番最後に、留分を集めると、1−ブロモブタンが生成されたのが確認できた。
(3)加熱還流して反応させた後の流出液を濃硫酸で洗うのは何のためか?
濃硫酸によって水を吸着させ、収率をあげるため。
5.考察
丸底フラスコに、臭化カリウム、水、1−ブタノールを入れて、氷水浴で冷やしたあと、濃硫酸を加えると、溶液が黄色に変化し、煙が出た。このオレンジ色は硫化ブチルである。この硫化ブチルは、濃硫酸を加える際に、すぐ反応して生成されてしまうため、加えるときはフラスコを回し続け攪拌させながら、まわさなければならない。
収率が低かったのは、濃硫酸を加える際に攪拌をとめていたので、硫化ブチルが生成されてしまったためによると考えられる。
目的および原理
炭素原子と電気陰性な原子、C—Brの結合では、電子対は等しく共有されるのではなく炭素原子から電気陰性度の大きい臭素原子のほうへ少しひきつけられる。その結果C—Brの結合は分極ができる。このように分極した結合では、炭素原子に対して電子の割り当てが少し減少しているため、炭素原子は電子不足の状態と言える。このような電子不足炭素原子はその炭素原子と共有して結合を造るのに使えるような電子対をもっている反応種の攻撃を受けやすい。分子中のδ+電荷のところに攻撃してくる反応主を求核種という。
化学反応式
CH3CH2CH2CH2OH + HBr → CH3CH2CH2CH2Br + H2O
今回の実験では、1-ブロモブタンから1-ブタノールを生成する。
実験操作
試薬 質量 体積 物性値 モル量 分子式 臭化ナトリウム 27g 80.9 0.33 NaBr 濃硫酸 23ml 98.1 H2SO4 亜硫酸水素ナトリウム ― ― 104.0 ― HNaO3S 塩化ナトリウム 58.4 NaCl 無水硫酸ナトリウム 142.0 Na2SO4 1-ブタノール 16.2 20ml 74....
考察部分はさらなる探求の余地があると思います。