もはや、現在の日本のあらゆる食糧が輸入に依存しており、自給率が異常に低いのは周知のことである。また、20年前と比較してみると、輸入されるものにも多少の偏移が見られるようになってきた。例えば、エビやトウモロコシの輸入依存が高いのは相変わらずとして、肉類の輸入が急増した。豚を筆頭として牛などの肉の輸入量は20年前のそれの比ではない。これは日本人の食生活が欧米型の食生活に変化し、肉類の消費が拡大したためと考えられる。魚介類ではマグロの輸入量が増加傾向にある。もともと周囲を海で囲まれた日本が、海産物の輸入に依存するのはいささか不思議な感がする。しかしオイルショックや人件費の上昇などの要因が多重に作用し、安価な輸入マグロのほうが消費・拡大してしまった。またタバコやアルコール類といった嗜好品の輸入依存も大きくなってきている。嗜好品に限ったことではないが、これには貿易の自由化や円高が大きく影響しているものと考えられる。いずれにせよ、20年前と比較しても自給率の上昇した品目というのはきわめて少ない。
食料調達を貿易に依存することは、世界経済の観点から見れば良好なことかもしれないが、日本の安定性の面からの見解は極めて危ういものであるといえよう。万が一、輸出国側で不作になったり食糧難が発生した場合には、日本へ回すほどの余裕があるとは考えにくい。また海外では、日本での使用が禁止されている農薬が用いられていたりするケースも多々ある。安価な輸入食料は、その生産工程が透明でない分、リスクも大きいものである。あるいは、食生活の変化に伴って健康的な問題も生じてくる。もともと農耕民族であった日本人と狩猟民族であった欧米人では食生活が異なって当然のことであった。そのため、日本人と欧米人では体内の構造も多少ながら異なってくる。
日本の食糧事情の展望
もはや、現在の日本のあらゆる食糧が輸入に依存しており、自給率が異常に低いのは周知のことである。また、20年前と比較してみると、輸入されるものにも多少の偏移が見られるようになってきた。例えば、エビやトウモロコシの輸入依存が高いのは相変わらずとして、肉類の輸入が急増した。豚を筆頭として牛などの肉の輸入量は20年前のそれの比ではない。これは日本人の食生活が欧米型の食生活に変化し、肉類の消費が拡大したためと考えられる。魚介類ではマグロの輸入量が増加傾向にある。もともと周囲を海で囲まれた日本が、海産物の輸入に依存するのはいささか不思議な感がする。しかしオイルショックや人件費の上昇な...