資料:3件
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従軍慰安婦
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講義において最も関心を持ったのは、梁澄子さんによる「戦争と女性への暴力」、つまり「慰安婦」についての問題であった。この問題については、戦後60年以上経った現在においてもまだ解決されておらず、時折ニュースで見かけることもあるほど深刻な問題である。
まず講義していただいた梁澄子先生についてであるが、本学の朝鮮語講師であるとともに、「在日の慰安婦裁判を支える会」のメンバーでもある。よって、今回の講義では、元「慰安婦」であり、日本政府に対し謝罪と保障を求めて裁判を起こしたものの敗訴に終わった宋神道さんのことを中心に、「慰安婦」について様々述べられた。
では、講義の中心となった宋神道さんの略歴について見てみたいと思う。1922年植民地下である朝鮮の忠清南道で生まれる。1938年、騙されて中国中部の武昌で慰安婦をするよう強制される。この際の経緯については、朝鮮人女性に「戦地に行ってお国のために働けば結婚しなくても独りで生きていける」というふうに言われ、戦地についても、どんな仕事をするのかも何も知らないまま、新義州、天津、漢口を経て武昌に到着する。そこで、慰安所である「世界館」で「慰安婦」を強制されることになる。その後、慰安所を数箇所経た頃、1945年日本の敗戦を知り、行く宛もなく、「結婚して日本に行こう」という日本軍人の言葉に望みを託して日本に渡る。しかし、日本に着くと、その軍人に見放されてしまう。その後、宮城県在住の在日朝鮮人男性に救われ、その男性が亡くなる1982年まで共に暮らし、現在は独り暮らし。1993年4月、日本政府に対し謝罪と保証を求めて提訴。1999年10月東京地裁、2000年11月東京高裁で請求棄却、2003年3月に最高裁でも上告を棄却され、敗訴が確定した。
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従軍慰安婦の告白
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授業は、満16歳のときに騙されて「慰安婦」をするように強制された宋神道さんにスポットを当てて進んでいった。宋さんの言葉や略歴を見返してみても騙されて連行されていった従軍慰安婦の悲惨さが伝わってくる。宋さんは日本政府に対し、謝罪と賠償を求めて裁判を起こしたが敗訴している。日本人には従軍慰安婦に対する理解が足りないのではないかと思い、授業でもあげられていた 「従軍慰安婦」吉見義行著を読んでみた。
「従軍慰安婦」とは日本軍の管理下におかれ、無権利状態のまま一定の期間拘束され、将兵に性的奉仕をさせられた女性たちのことである。
女性に対する重大な人権侵害でありかつ国家犯罪・戦争犯罪の問題も含む従軍慰安婦問題は、「韓国挺身隊問題対策協議会」などを中心とする韓国の女性運動によって問題が社会化するまでは社会的な関心を払われていなかった。日本政府は当初、国家・軍の関与を否定したが、韓国の女性団体が「真の道義を備えた民主主義国家」となることを求めた声明を出すと日本政府は軍や官憲の関与と慰安婦の徴収・使役での強制を認め、問題の本質が重大な人権侵害であることを承認した。しかし、政府の出した見解には問題点が三つある。第一に、軍の関与を間接的なものとしていること。第二に、中国・台湾・東南アジア・太平洋地域の住民については言及していないこと。第三に、反省しただけにとどまっており、徹底した真相解明、罪の承認と謝罪、賠償、再発防止措置など当然言及されるべきことが欠けている点である。そして日本政府は公式に謝罪したとはいえ、国と国との間の請求権は決着ずみとし、個人の補償は行えないとの態度は変更していない。
慰安婦はどのようにして集められたのだろうか。日本からの場合、未成年者の売春を禁止した国際条約に日本も加盟しており、それを意識しなければならなかった関係上、慰安婦は貸し座敷(遊郭)などから集められた。
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