ケーススタディのテーマ:
下肢の浮腫に対する足部温罨法の効果について
浮腫に関する足部温罨法の効果についての発表をしようと思います。
高齢者は、組織の保水機能、組織圧が低く、静脈やリンパ管を圧迫して心臓への還流を助ける筋肉運動量が低下しているため、浮腫を起こしやすい現状にあります。今回、88才の女性で末期腎不全のため両下肢に浮腫があり、塩分と水分に制限のある認知症の患者を受け持った。食事内容は腎臓治療食すりつぶし、梅干が好物であり、おかずには手をつけていない様子であった。輸液治療に加えて、塩分制限への工夫、足部温罨法を行うことで利尿を促し、下肢浮腫が一時的に軽減できたのでここに報告します。
下肢の浮腫に対する足部温罨法の効果について
はじめに
高齢者は、組織の保水機能、組織圧が低く、静脈やリンパ管を圧迫して心臓への還流を助ける筋肉運動量が低下しているため、浮腫を起こしやすい。
今回、88才の女性で末期腎不全のため両下肢に浮腫があり、塩分と水分に制限のある認知症の患者を受け持った。輸液治療に加えて、塩分制限への工夫、足部温罨法を行うことで利尿を促し、下肢浮腫が一時的に軽減できたのでここに報告する。
Ⅰ患者紹介
氏名:NT氏 年齢:80歳台
診断名:慢性腎不全、肺がん、認知症
主訴:水ちょうだい 既往歴:心不全
受け持ち期間:平成21年2月17日~3月18日
家族の意向:透析はしない、延命のための措置はしない。
経過:腎不全のため通院しており、服薬コンプライアンスが悪く、高カリウム血症で入退院を繰り返している。1月6日頃より食欲がなく水分のみ欲しがり1月16日受診後入院する。入院後は輸液を行い、食欲は徐々に回復しているが、受け持ち時、腎不全と思われる両下肢浮腫が著明であり、腰部から陰部にも浮腫がみられた。CVカテーテルと膀胱留置カテーテルが挿入されてお...