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アメリカにおける医療制度の現状を説明するとともに、わが国の医療改革について述べよ。
１、アメリカの医療制度の現状
　個人主義を重んじるアメリカでは、貧困や医療問題の解決にしても、全面的に公的扶助に依存するべきでないという「自助努力」が強調されている。
そのため、わが国のような国民全体を対象とした公的医療保障制度はなく、医療保障は民間保険を中心に行なわれているメディケア（公的高齢者医療保険）とメディケイド（低所得者医療扶助制度）という制度がある。
これらは特定の人々のための制度であり、未だ国民皆保険化は制度化されていないのが現状である。そのためアメリカの無保険者は、国民の14％（2000年）に及んでいる。
(1)メディケア
　メディケアは65歳以上の高齢者、障害年金受給者、慢性腎臓病患者を有する被保険者とその家族を対象とする、連邦政府所管の公的医療保険制度であり、パートＡとパートＢからなる。パートＡは強制適用の病院保険で、入院とホーム・ヘルスケア、ホスピス・ケアなどの費用を支給するものであり、一般国民に対する社会保障税が財源となっている。パートＢは、外来時の医師に対する診療報酬を支給する...

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