第二次世界大戦後、当時の日本は物資不足、失業者、戦災者、浮浪者など救済を必要とする人は全国に約800万人と推定された。わが国はとりあえずの措置として「生活貧窮者緊急生活援護要綱」を策定した。だが、この施策は戦前のいわゆる施し、恵みという日本の古い考えを引きずったものであり、解決には至らなかった。福祉改革の指導原理となったのはGHQが示した公的扶助の原則「社会救済に関する覚書」であり、後に福祉四原則と呼ばれるようになり、社会福祉の方向付けとなった。内容としては、無差別平等の原則、救済国家責任の原則、公私分離の原則、救済無制限の原則である。この四原則を基に、「生活保護法」(1946年10月)が制定...