☆レストランの営業許可の取り消しの問題点
1 まず、営業許可を取り消されたAは、そのまま営業を継続することができるか。
この点、許可が取り消された状態のままでは、Xは無許可営業をしたことになり、刑事罰を科せられる可能性がある。よって、営業許可を取り消されたまま営業を継続することはできないと解する。
2 では、本件のような許可の取消は問題ないのか。食品衛生法を見る限り、営業許可の取消しは、衛生上の観点からの違反があった場合、許可後に人的な欠格事由に該当するようになった場合、施設が基準に違反している場合などに限って認められている。
つまり、営業の自由は最大限尊重されなければならないという観点から、B県知事の有する許可取消しの権限は、その行使の仕方が法的に拘束されているのである。よって、本件営業許可の取消しは、衛生面、人的欠格事由、施設面のどれにも該当しておらず、「教育上好ましくない」という理由だけで取り消されるべきではない。
しかし、本件のような許可取消しの権限については、行政庁の決定はとりあえず尊重しなければならないという公定力が認められている。公定力とは、行政行為はたとえ違法であっても、裁判所または行政庁(職権取消し・撤回、不服申立ての場合)により取り消されない限り、有効であることをいう。
3 しかし、本来は許可があるにもかかわらず、理不尽に許可を取り消されたAが泣き寝入りしなければならないというのでは妥当性を欠く。では、そのような場合、どのように是正すべきか。
この点、このような違法行政への対応策としては、「行為自体の是正」と「被害の補填」が考えられる。Bの行った営業許可の取り消しが違法であったとすると、これは「法治行政」の理想からはあってはならないことである。しかし、行政処分に公定力があることから、AはB県知事の決定にとりあえず拘束される。
【行政法・公定力】
☆レストランの営業許可の取り消しの問題点
1 まず、営業許可を取り消されたAは、そのまま営業を継続することができるか。
この点、許可が取り消された状態のままでは、Xは無許可営業をしたことになり、刑事罰を科せられる可能性がある。よって、営業許可を取り消されたまま営業を継続することはできないと解する。
2 では、本件のような許可の取消は問題ないのか。食品衛生法を見る限り、営業許可の取消しは、衛生上の観点からの違反があった場合、許可後に人的な欠格事由に該当するようになった場合、施設が基準に違反している場合などに限って認められている。
つまり、営業の自由は最大限尊重されなけ...