はじめに
当ゼミは「異文化」への高い関心からこのテーマを選んだ。日本人が「異文化」といった表現でまず欧米を念頭に置くだろう。しかし、日本人が真に注目すべきは地理・歴史的により密接なアジア諸国ではないか。この考えを出発点にして今回の論文は進んでいく。
論文要旨
世界経済において近年急速に成長を見せるBRICsと呼ばれる国々がある。ブラジル・ロシア・インド・中国の4国だ。特に中国は世界の総GDPに占める割合が13%に達し、世界第2位の経済大国へと発展した。さらにBRICs4国合計では23%とアメリカの21%を抜き去った。この動きを受けて、現在では50年後の世界GDPランキングにおいて中国、アメリカ、インド、日本、ロシア、ブラジルといった順位が現出するという予測がなされている。
こういった中で当ゼミではBRICsの中でも上位に位置する中国とインド、この2国について見ていく。インド・中国経済それぞれの魅力はどこにあるのか、そしてその急成長の要因は何か。こういった点から日本のこれからの課題を考察していく。
第1章 BRICsとは
そもそもBRICsは天然資源が豊富である、膨大な人口が共通の言語...