1.社会学成立の時代的背景
社会学は、19世紀初頭のフランスで、コントの活動によって始まった。
18世紀後半、イギリスで第一次産業から第二次、第三次産業が主体となる変化(産業化)が始まった。同じ頃、西ヨーロッパを中心に資本主義経済が広まりつつあった。
産業化によって経済力をつけた市民層が経済的自由や政治への参加を求めて、アメリカ独立戦争やフランス市民革命などの革命を起こした。19世紀前半のヨーロッパは政治的・経済的に大きな変化の中にあった。
フランスでは市民革命は成功したが、市民のニーズに追いつくことができずに戦争が続いた。このような流れに対してコントは社会を観察し、理論的な根拠を挙げて説明す...