日本人の対人意識に基づく表現

閲覧数2,304
ダウンロード数9
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    一、国技も日本語も同じ土壌から
     相撲:相手を土俵から排除することによって、「わたし」の縄張りが獲得できる。“攘夷的”名思想が読み取れる。親疎関係の「疎」へと押しやる。
       「土俵」に関する表現
        己の土俵を守る  相手を自分の土俵に引き込む 他人の土俵に踏み込む 
     柔道:中央に位置して相手を引っ張り込んで倒すによって、相手を克服して天下を取る自己側中心の縄張り意識である。上下関係の「下」の立場に組み敷く。
    ※日本語も国技も、共に“自己側”を中心にした縄張り意識が根底にある。
    二、縄張り意識はどう反映するか
    話し手   対立的     聞き手   聞き手を除外した「私自身」の立場で
    わたし    親疎     あなた    述べる発想
    ―――「私」側の視点
    話し手(私)
    わたしたち/われわれ 仲間意識(上下関係)  聞き手を含めた「私たち」中心の発想         
               聞き手(あなた) ――― 「私たち」の視点
    わたしたち  対立的     新たな聞き手  「彼」、「彼女」を傍観的に捉えている
    ―――「私」ないし「私たち」の視点
    三、日本的な指示語の体系
    話し手
    聞き手
    第三者
    人称

    わ/われ/あ/あれ
    (わたし)
    あちらのほう
    (あなた)
    そなた
    かれ(あれ)
    ものや事物
    こちら
    こっち
    こちとら
    そちら様
    そっち
    そのほう
    あちら様
    あいつ
    場所や事物
    そこここ/そんなこんなで
     (ソ/コの対応)
    あちこち
    あれこれ
    ああだこうだ
    (ア/コの対応)
    「あなた/私」の関係はちょうど「ソ/コ」の対応に当たるし、「彼/私たち」の対応は「ア/コ」「カ/コ」の関係に相当する。どちらにしても、話者自身の目が基準になっている点では変わらない。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    日本人の対人意識に基づく表現
    一、国技も日本語も同じ土壌から
     相撲:相手を土俵から排除することによって、「わたし」の縄張りが獲得できる。“攘夷的”名思想が読み取れる。親疎関係の「疎」へと押しやる。
       「土俵」に関する表現
        己の土俵を守る  相手を自分の土俵に引き込む 他人の土俵に踏み込む 
     柔道:中央に位置して相手を引っ張り込んで倒すによって、相手を克服して天下を取る自己側中心の縄張り意識である。上下関係の「下」の立場に組み敷く。
     
    ※日本語も国技も、共に“自己側”を中心にした縄張り意識が根底にある。
    二、縄張り意識はどう反映するか
    話し手   対立的     聞き手   聞き手を除外した「私自身」の立場で
    わたし    親疎     あなた    述べる発想
    ―――「私」側の視点
                
    話し手(私)
    わたしたち/われわれ 仲間意識(上下関係)  聞き手を含めた「私たち」中心の発想          
               聞き手(あなた) ――― 「私たち」の視点
    わたしたち  対立的     新たな聞き手  「彼」、「彼女」を傍観的に捉えてい...

    コメント1件

    renkuro 購入
    縄張り意識について分かりやすく取り上げられている。
    2006/11/01 22:31 (18年1ヶ月前)

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。