第2節 皆保険・皆年金体制の形成
第1項 国民皆保険体制への歩み
昭和25年に社会保障制度審議会が行った「社会保障制度に関する勧告」の中で、一般国民に対する国民健康保険制度を数年中に全国民に適用することが提言された。昭和30年には、社会保障制度審議会に医療保障問題に関する諸問題を総合的に検討するための特別委員会が設置、昭和30年、厚生省が立案した社会保障5か年計画では、昭和31年から昭和35年に至る間に医療保障の完遂を目標とすることとされた。昭和30年に発足したいわゆる「七人委員会」は、健康保険と船員保険の赤字対策を精力的に検討すべての国民が医療保障を受けられるようにすべきであるとし、国民健康...