今日、豊かな人間性をはぐくむべき学校教育においても、登校拒否・不登校の問題が生じている。これはどのような状況で生じ、またどのような克服の仕方が考えられるか。
不登校とは「何らかの心理的・情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童・生徒が登校しないかあるいは登校したくてもできない状況にある」(古川聡編著『教職に生かす教育心理』福村出版、2000年、p149)ことをいう。
文部省の調査によると、1998年度に不登校を理由として30日以上欠席した小・中学生の数は約13万人であり、年々増加傾向にある。これを全体の児童生徒数との割合で見ると、小学校では283人に1人、中学校では39人に1人である(内田照彦・増田公男編著『要説 発達・学習・教育臨床の心理学』北大路書房、2000年、p178)。不登校となった直接のきっかけとしては、学校生活に起因するもの、家庭生活に起因するもの、本人の問題に起因するなどものがある。
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登校拒否をどう捉え、いかに克服するかを、これをめぐる論争や、親や教師の教育実践を
素材にして考察せよ。
今日、豊かな人間性をはぐくむべき学校教育においても、登校拒否・不登校の問題が生
じている。これはどのような状況で生じ、またどのような克服の仕方が考えられるか。
不登校とは「何らかの心理的・情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児
童・生徒が登校しないかあるいは登校したくてもできない状況にある」(古川聡編著『教
職に生かす教育心理』福村出版、
2000
年、
p149
)ことをいう。
文部省の調査によると
、
1998
年度に不登校を理由として
30
日以上欠席した小・中学生の
数は約
13
万人であり、年々増加傾向にある。これを全体の児童生徒数との割合で見ると、
小学校では
283
人に1人、中学校では
39
人に1人である(内田照彦・増田公男編著『要説
発
達・学習・教育臨床の心理学』北大路書房、
2000
年、
p178
)。不登校となった直接のきっ
かけとしては、学校生活に起因するもの、家庭生活に起因するもの、本人の問題に起因す
るものなどがある。不登校状態が継続...