日本で行われていた知識伝達を重視した授業の例としては、1958年に改訂された学習指導要領が挙げられる。戦後まもなくは児童中心の経験主義が取られたが、経済の急速な発展に即応し、また国民生活の向上のため、さらには国際社会での地歩を確保するために系統主義へと移った改訂である。教科カリキュラムにより科学技術教育の向上が図られた。授業の時間数も、従来の基礎時間数を上回る「最低授業時数」を提示した。1 9 68年の改訂においても、高度経済成長が背景にあり、系統主義はいっそう重視された。系統主義を進めた理由としては、目標達成のためには幅広い分野で相当数のリーダーが必要とされ、より効率的な人材養成・登用のシステムが必要だったからである。身分に関係なく競争させ、勉強のできる子どもを評価することにより、日本は多方面における優れたリーダーを輩出させることに成功した。また、国民の精神的・知的統合や識字率の向上など文化的基盤を整備する役割をも果たした。平等・実力主義であり、国家のレベルを上げるため大いに役立ったのである。このいわゆる「学歴社会」というものは、知識の系統性のみを重視していた。
日本で行われていた知識伝 達を重視した授業の例としては、1
958年に改訂された学習指導要領が挙げられる。戦後まもなくは
児童中心の経験主義が取られたが、経済の急速な発展に即応
し、また国民生活の向上のため、さらには国際社会での地歩を確
保するために系統主義へと移った改訂である。教科カリキュラムに
より科学技術教育の向上が図られた。授業 の時間数も、従来の
基礎時間数を上回る「最低授業時数」を提示した。1968年の
改訂においても、高度経済成長が背景にあり、系統主義はいっそ
う重視された。系統主義を進めた理由としては、目標達成のため
には幅広い分野で相当数のリーダーが必要とされ、より効率的な
人材養成・登用のシステムが必要だったからである。身分に関係
なく競争させ、勉強のできる子どもを評価することにより、日本は多
方面における優れたリーダーを輩出させることに成功した。また、国
民の精 神 的・知 的 統合 や識字 率の向上など文化 的 基 盤を整
備する役割をも果たした。平等・実力 主義であり、国家のレベルを
上げるため大いに役立ったのである。このいわゆる「学歴社会」とい
うものは、知...