はじめに
ここ数年、インターネットは急速に普及し、公的業務から娯楽まで多岐に渡って利用され、私たちの生活にすっかり定着している。
インターネットは既存の通信手段とは一線を画した性質を持ち、次々に新たな分野へと進出しようとしている。
私たち世代の文化は、恐らく携帯電話・パソコンとインターネットを中心としたものと言って良いだろう。この新しい文化は人々の生活や交流に大きな変化をもたらしたが、その流れに共に流されてきた私たちは、その影響による負の現象すら当然のものとして受け止めている部分が大きい。
日本では2001年1月、5年以内に世界最先端のIT国家となることを目標とした『e-Japan戦略』が政府によって打ち出された。全国民が情報通信技術を活用し、その恩恵を最大限に享受できる社会の実現に向けて決定された戦略である。
2003年7月には続いて、2006年以降も世界最先端であり続けることを目指す『e-Japan戦略?』が発表された。e-Japan戦略から2年半で各種施策を実施しIT基盤が整備されつつあることを受け、IT利活用のための方策を示している。「社会全体が元気で、安心して生活でき、新たな感動を享受できる、これまで以上に便利な社会」の実現に向け、7分野(医療・食・生活・中小企業金融・知・労働・行政)の推進と、新たなIT社会基盤を整備するための方策などが盛り込まれている。
今後ますます進んでいくだろうマルチメディアの発展の中で、人々の生活は変化をし続けるに違いない。
その激動も視野に入れながら、情報社会を見直してみたい。
第1章
「普及するインターネット」
第1節 インターネットの歴史
そもそもインターネットは長い間、アメリカの軍事や学術研究者の間のみで用いられるコンピュータ・ネットワークであった。
e-Japan戦略
~発展するマルチメディアと情報のかたち~
目次
・はじめに
・第1章 普及するインターネット
第1節 インターネットの歴史
第2節 インターネットの発展と利用人口
・第2章 インターネットが拓く新たな時代
第1節 インターネットが浸透する社会
第2節 インターネットが変える生活
・第3章 マルチメディア時代の到来
第1節 マルチメディアの定義
第2節 インターネットと流通
・第4章 電子書籍の潮流
第1節 電子書籍ムーブメント
第2節 紙書籍出版と電子書籍出版
第3節 電子書籍の種類
第4節 電子書籍の特徴
第5節 電子書籍と情報のかたち
・第5章 情報社会における知的財産権
第1節 身近になる著作物
第2節 マルチメディアと著作権
・おわりに
・参考文献・HP
はじめに
ここ数年、インターネットは急速に普及し、公的業務から娯楽まで多岐に渡って利用され、私たちの生活にすっかり定着している。
インターネットは既存の通信手段とは一線を画した性質を持ち、次々に新たな分野へと進出しようとしている。
私たち世代の...