再軍備過程の研究
1947年頃から、米ソ対立が先鋭化し、世界は冷戦時代に突入する。占領下の日本は、否応無しにアメリカの冷戦戦略に組み込まれ、極東における反共の防波堤としての重要な戦略的役割を担うこととなる。そうした中で、日本は再軍備を迫られ、憲法の第九条解釈も二転三転していく。
本稿では、1950年の警察予備隊創設から1955年の自衛隊創設までの再軍備の過程に関して、これまでどのような研究がされてきたかまとめていきたいと思う。
再軍備過程の研究
1947年頃から、米ソ対立が先鋭化し、世界は冷戦時代に突入する。占領下の日本は、否応無しにアメリカの冷戦戦略に組み込まれ、極東における反共の防波堤としての重要な戦略的役割を担うこととなる。そうした中で、日本は再軍備を迫られ、憲法の第九条解釈も二転三転していく。
本稿では、1950年の警察予備隊創設から1955年の自衛隊創設までの再軍備の過程に関して、これまでどのような研究がされてきたかまとめていきたいと思う。
研究初期の段階では、まず大嶽秀夫の『再軍備とナショナリズム―保守、リベラル、社会民主主義者の防衛観』(1988年、中央公論社)が挙げられる。この本は、1950年代前半...