考古学の歴史について
目次
1.考古学の前史
2.考古学の形成
3.第二次世界大戦前までの考古学
4.現在の考古学
考古学の歴史について
目次
1.考古学の前史
2.考古学の形成
3.第二次世界大戦前までの考古学
4.現在の考古学
1.考古学の前史 遺物・遺跡を通じて古代を探究しようとする試みは、紀元前にさかのぼっている。すなわち、新バビロニア帝国のナブナイド王(前6世紀)は、バビロニアの歴史に関心が深く、シャマシュ神殿を発掘しアッカド時代の神殿跡を発見したのは、考古学的研究の嚆矢(こうし)とされる。またギリシアの歴史家トゥキディデス(前5世紀後半)は、その『歴史』のなかで、古墓から発見された武器やその埋葬様式のうえから、デロス島の先住民がカリア人であったことを証明しようと試みている。しかしこれらは考古学史上の狂い咲きであって、あとが続かなかった。一方、中国でも古銅器の研究は、『考古図』や『宣和博古図』にみられるとおり、11世紀末葉から12世紀にかけて盛んに行われたけれども、そのまま近代的な学術に成長することはなかった。
2.考古学の形成 ヨーロッパでは古物に対する関心は16世紀後半からようやく高まってはいたが、考古学の名に値する研究は、ドイツのウィンケルマンを待たねばならなかった。ウィンケルマ...