資料:2件
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今、地域に立つ学校はどう改革されるべきか
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? はじめに
本論文は、教育には学校・家庭・地域の3つの連携が必要であることを示すことを目的とする。そのためにまず、これらの背景と現在の状況、いつからこの連携が言われてきたのかをまとめる。次いで、これらの連携を図るためには具体的にどう改革していけばいいのかを示す。
? 学校・家庭・地域の連携の背景など
子どもの教育は、学校、家庭、地域の3つの教育力がバランスよく作用することが理想である。しかし、授業でも学んだように、現代社会は家庭と地域の教育力が低く、この3者の関係がバラバラの状況にあるといえる。居住者はいても地域住民がいない居住区が増えるといった現象が進行している。
高度経済成長による1960年代の急激な社会変動により日本人の生活様式、地域社会のあり方は大きく変わった。特に地域への定着性は減少し、人間関係は希薄化している。生産と商品の分離、交通・通信網の発達による情報ネットワ−クの変容などの社会・経済的条件に規定されて、教育環境は激動している。地域社会への帰属意識、アイデンティティは薄れ、地域にそれが小さな部分社会であれ、ひとつの統一体として成立しなくなっている。地域と家庭、そして学校が教育環境として充分に連携できないのはこのことに起因する。
学校と家庭、地域とが連携し、協力して地域の教育力を高め、次の世代の人材を養成・養育しなければならないといった認識が生まれたのは、高度経済成長が頂点に達し、そのひずみが地域社会の社会問題としてマスコミで報道された1970年代のことである。学校関係者は「学校教育と社会教育の連携・協力」、地域住民は「地域は学校、おとなはみんな先生」といった、スローガンを掲げ全国各地で様々な教育実践がなされた。それは学校だけでなく、おとなや家庭が地域から切り離され、地域が学校でなくなったからであり、学校と地域・家庭のおとなが一体となって、子どもの社会化の役割を担わなければならないといった危険意識が、このようなことばを生み出したといえる。
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