1. 改正学習指導要領
文部科学大臣の公示する学習指導要領は、「21世紀を展望したわが国の教育の在り方について」という中央教育審議会の答申、教育課程審議会の答申を踏まえて平成10年改定された。それによると、?豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること、?自ら学び、自ら考える力を育成すること、?ゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎・基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実すること、?各学校が創意工夫を生かし特色ある教育、特色ある学校づくりをすすめること、が記されている。本レポートでは、この改正学習指導要領に基づいた教育改革について取り上げることとする。教育改革の具体的内容としては完全週5日制や単位時間や授業時数運用の弾力化、情報内容・科目の必修化などが挙げられるが、その要となる教科内容の3割削減と総合的な時間の新設について本レポートでは焦点を当てたい。
2. 進歩主義教育と教育改革
教科内容の3割削減と総合的な時間の新設は、日本における「ゆとり」教育の主軸であると言える。それでは「ゆとり」教育とは一体どのようなものであろうか。これを支えているのが、デューイを中心に提唱された児童中心主義(child-centered)であると言ってもよいだろう。それは、1950年に文部省によって出された『小学校社会科学習指導法』の中で「社会科の学習は、ある意味では 問題の解決のしかたを学ぶことであるとも言うことができます」とした上で、デューイの反省的思考論における5段階に似た「典型的な段階」を提示しているところから見て確かであろう。反省的思考とは、問題を解決するための段階を?問題を感じ取る、?問題のありかをつきとめる、?注意深く調べる、?問題解決のための計画を立てる、?計画を実践によって確かめる、という5段階によって構成されるとされている。
改正学習指導要領
文部科学大臣の公示する学習指導要領は、「21世紀を展望したわが国の教育の在り方について」という中央教育審議会の答申、教育課程審議会の答申を踏まえて平成10年改定された。それによると、①豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること、②自ら学び、自ら考える力を育成すること、③ゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎・基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実すること、④各学校が創意工夫を生かし特色ある教育、特色ある学校づくりをすすめること、が記されている。本レポートでは、この改正学習指導要領に基づいた教育改革について取り上げることとする。教育改革の具体的内容としては完全週5日制や単位時間や授業時数運用の弾力化、情報内容・科目の必修化などが挙げられるが、その要となる教科内容の3割削減と総合的な時間の新設について本レポートでは焦点を当てたい。
進歩主義教育と教育改革
教科内容の3割削減と総合的な時間の新設は、日本における「ゆとり」教育の主軸であると言える。それでは「ゆとり」教育とは一体どのようなものであろうか。これを支えているのが、デューイを中...