資料:8件
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乳幼児における認知機能の発達について述べよ。
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従来、乳児は「無力で、受け身的で、大人に依存している存在」として見られていた。しかし、ここ20年のあいだに、その認識は「自分の周りの物や人と積極的に関わっていこうとする有能な存在」へと変わってきた。乳児に対する認識の移り変わりを、認知機能の発達に関する研究に取り組み、現在にまで大きな影響を及ぼしているスイスの発達心理学者ジャン・ピアジェの理論をもとに以下に述べる。
まず「発達」とは人間の身体的・心理的な構造や機能における量的・質的変化のことである。乳幼児における発達は、主に「成熟」と「学習」というふたつの基本的過程によってすすめられる。「成熟」とは先天的要因によって、自発的に個々の形質や機能がつくりだされていく過程をいい、 「学習」とは生まれてからの後天的な経験や練習を通して新たに能力を獲得していく過程をいう。発達は、これら成熟と学習の過程が相乗的に作用しあい、人間をかたちづくっていくものなのである。
「認知」とは人間が外界の対象について、それが何であるか判断・解釈する過程のことである。この認知の過程には、人間の知覚・記憶・推理・判断・意志決定などが関わっている。ゆえに認知とは外界からの情報のうち必要なものを取捨選択し、自らの行動へと反映する人間の情報処理機能であるともいえる。ピアジェはこの認知機能の発達に関する研究を通した理論体系を「思考発達段階説」として構成し、この理論体系は認知発達を考える上での重要なよりどころの一つとなっている。
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児童心理入門「乳幼児における認知機能の発達についてのべよ。」
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「乳幼児における認知機能の発達についてのべよ。」
認知機能とは、対象に気づいてそのものの意味を知ることとされている。また、その過程の総体のことを示し、認知機能は段階をおって発達するとされている。具体的には、知覚・注意・記憶・言語・概念の発達・思考などがあげられる。それでは、幼児期の認知の発達の特徴を段階ごとにとらえていきたい。
まずは、知覚について述べていきたい。幼児期の知覚には、主客の身分化に起因する幾つかの特徴がある。幼児期には、その心理的発達の制約から子どもらしい特徴が見られる。直接経験による知覚、相貌的知覚、アニミズムがあり、これらの特徴は、幼児期を過ぎる頃には消失していくということである。直接経験による知覚とは、3歳くらいの幼児に「りんごってどんなもの?」と質問すると幼児は、りんごが赤い果物であることを知らないわけではないが、彼らにはおいしかったなどの経験こそがりんごを特徴付ける属性なのである。このような幼児の特徴は、未分化な知覚が直接経験の蓄積に補われていることを示唆している。次に相貌的知覚とは、幼児が知覚対象に、感情をたとえた表情を知覚する傾向があるということで
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