〔統計調査〕社会福祉調査の調査技法の中で、統計調査による情報収集が担う点は、末節の違いを捨象して残る個別対象の本質や共通点を集団として一定の基準により体系的に捉えることである。すなわち、統計調査は援助対象の多様な特性や少数の例外的な存在により見えにくかった点を、一定の基準により相対的・抽象的・定量化することで個を集団としてまとめあげ、集団全体の大まかな傾向により把握できるようにする調査である。
統計調査及び事例調査の手順と調査技術について
〔統計調査〕社会福祉調査の調査技法の中で、統計調査による情報収集が担う点は、末節の違いを捨象して残る個別対象の本質や共通点を集団として一定の基準により体系的に捉えることである。すなわち、統計調査は援助対象の多様な特性や少数の例外的な存在により見えにくかった点を、一定の基準により相対的・抽象的・定量化することで個を集団としてまとめあげ、集団全体の大まかな傾向により把握できるようにする調査である。
(手順)
調査課題の明確化・・・「自分は何を知らなければならないのか」ということを明確にする。
先行研究・既存調査の探索・・・これまでに何が明らかにされているのかを知る。(A明らかにされていることとされていないことの情報b比較対象となる既存調査の結果に関する情報C自分が設計する際に利用可能な結果情報d現在の科学技術で明らかにできることと出来ないことの違いに関する情報)
作業仮説の作成・推敲・・・検討したい変数間の関連性の見込みを立てる(a調査結果に関連した事柄についての日常の経験的推察を洗い出すb推察に含まれる変数を特定するc可能な限りにおいて変数間に影響を及ぼす側と影響を受ける側を設定するd変数間の関連性の見込みを文章にする
調査項目の枠組みの構築・・・作業仮説を組み合わせる
測定変数の確定・・・調べる項目を特定する
データ収集の方法・・・(調査対象・調査方法・調査時期)の検討→データ収集の方法を確定
測定方法の検討・・・調査内容をとらえる具体的な視点や角度を検討する→測定尺度(調査票に用いる具体的な設問文と選択肢)を確定 a)調査単位と母集団の決定 b)調査対象の決定(全数か標本化の選択) c)標本抽出の手順
調査票の組み上げ・・・調査票の原案を確定(質問形式と選択肢)
プリテストの実施・・・くみあげた調査票に不具合がないかを確認(質問の流れを回答者の意識の自然な流れに合わせる・先行する質問が後の質問に影響しないように配列する・差し障りのないものから何回で抽象的な質問へと配列する)
調査票の修正・・・プリテストの結果を受けて修正→調査票を確定
調査実施の準備・・・調査票の印刷・調査員の教育・関連費用の産出
調査対象差の台帳の整備・・・標本調査の場合はサンプリング台帳から標本を抽出
調査の実施・・・調査員の支援と管理・苦情への対応・記入内容の確認・礼状の送付
回収票の倫理チェック・・・有効票と無効票の選別・回答内容の倫理的点検・
回答のコンピュータへの入力・・・データベースへの入力
コンピュータ上のデータのクリーニング
分析・・・クロス集計
結果の公表・・・報告書などの発刊
〔事例調査〕事例調査の特質は、端的に言えば統計調査が量的データを扱うのに対して、質的データを収集・分析するという点にある。その特徴をより詳しく述べると、①少数の事例に対し、②多数の側面を全体関連的に、③主観的・洞察力、かつ柔軟性に富んだ手法を用いて、④質的データを多面的・動態的に収集し、⑥主観的・洞察的に分析し、個性記述を行うとともに一般化・普遍化を目指す方法である。言い換えると、個別事例の全生活過程や全体的な社会的状況を全体関連的に、あるがままの姿で把握することができるという特徴をもつ調査方法である。
〔手順〕
調査目的・課題の明確化・・・「自分は何を知らなければならないのか」ということを明確にする
調査の企画と準備・・・調査の全般的な企画立案と現地調査のための準備 a)自由面接法 b)観察法 c)焦点面接法
調査の実施・・・
調査結果の整理と分析・・・a)図表化 b)KJ法 c)グランデッドセオリー d)資料整理・分析法