? 素粒子物理学とは
? 物質の基本的構造
様々なモノをどんどん細かくしていくとどうなるのであろうか。この疑問に最初に答えたのが、紀元前5世紀の古代ギリシャの哲学者デモクリトスである。彼は、すべての物質を細かくしていくと、最終的に「アトム」という究極の物質に行き着くと考えた。この「アトム」という考え方は、彼の頭の中で考えられたものであり、実験によって示されたものではないが、現在、「アトム」は、原子を意味する言葉として存在している。19世紀になって、科学者達はモノを分割していくと原子に行き着くことを実験で確かめた。しかし、現代では、原子が物質の最小単位でないことがわかっている。原子は、陽子、中性子、電子といった粒子により構成され、その陽子、中性子もクォークという粒子(素粒子)から構成されていることがわかっている。すなわち、素粒子物理学とは、物質の基本的構造を考える学問である。
? ラザフォードの実験
原子は陽子、中性子、電子から成る。原子モデルは下の(図1)であるが、原子核というものを発見したのは、ラザフォードである。彼の実験は次の(図2)のように行われた。この実験により、彼は原子の中心に原子核があることを証明した。 (図1 原子の構造)
ラザフォードは、原子核と電子の間を通り抜けたものがそのまま進み、原子核にぶつかったものがはね返ると考えた。この実験によって、1903年に日本の長岡半太郎の考えた原子構造が正しいことも示された。 (図2 ラザフォードの実験)
? 量子論の必要性
? 粒子の波動性
図1の原子モデルでは原子は説明できない。その理由は、電子は原子核の周りを円運動しては電磁波を出している(エネルギーを放出している)。従って、じきに電子はエネルギーを失って、原子核へと落ちていくため、量子論が原子構造には不可欠なのである。
素粒子物理学
Ⅰ 素粒子物理学とは
ⅰ 物質の基本的構造
ⅱ ラザフォードの実験
Ⅱ 量子論の必要性
ⅰ 粒子の波動性
ⅱ 原子とは
ⅲ 加速器を利用した実験
Ⅲ 力の分類
Ⅳ 宇宙との関わり
Ⅴ 素粒子に関わる理論
ⅰ 力の統一
ⅱ 陽子崩壊
ⅲ 大統一理論
ⅳ 超対照性
ⅴ 究極理論
Ⅵ 終わりに
ⅰ 参考文献
I
Ⅰ 素粒子物理学とは
ⅰ 物質の基本的構造
様々なモノをどんどん細かくしていくとどうなるのであろうか。この疑問に最初に答えた
のが、紀元前5世紀の古代ギリシャの哲学者デモクリトスである。彼は、すべての物質を細
かくしていくと、最終的に「アトム」という究極の物質に行き着くと考えた。この「アトム」
という考え方は、彼の頭の中で考えられたものであり、実験によって示されたものではない
が、現在、「アトム」は、原子を意味する言葉として存在している。19 世紀になって、科学
者達はモノを分割していくと原子に行き着くことを実験で確かめた。しかし、現代では、原
子が物質の最小単位でないことがわかっている。原子は、陽子、中性子、電子といった粒子
に...