2000年7月、今までも製品開発に限らず、役員制度、マーケティング手法など、ほぼあらゆる分野で日本企業の先端を走ってきたソニーは、人事制度においても日本企業としては、きわめて画期的な試みに踏み出した。それは、各カンパニーのトップクラスを含む部長級に対して、それまでの職能格という資格に基づいた制度を廃止し、仕事の中身中心の制度に変更したのである。
この新しい制度をC3とソニーは名づけている。Commitment , Contribution , Compensationの3つのCである。つまりContribution=貢献に応じて、Compensation=報酬を決めていくが、その際会社も個々の従業員もお互いに業績に対して関わっていく(Commitment)ということである。
これは、日本企業にとって、実に画期的なシステムである。もともと日本企業では、給与システムが戦後の食うや食わずという時代を原点にもっているから、次のような特徴を持っていた。
1.まず会社で働く全員が食べていけるようにする。
2.毎月の給与は、安心して生活ができるように、減額されるようなことがないようにする。そのために、昇給は慎重に行わなければならない。
1990年代から2000年代にかけて実施された企業の人事制度改革の事例を1つ挙げ、その背景について考察せよ。
2000年7月、今までも製品開発に限らず、役員制度、マーケティング手法など、ほぼあらゆる分野で日本企業の先端を走ってきたソニーは、人事制度においても日本企業としては、きわめて画期的な試みに踏み出した。それは、各カンパニーのトップクラスを含む部長級に対して、それまでの職能格という資格に基づいた制度を廃止し、仕事の中身中心の制度に変更したのである。
この新しい制度をC3とソニーは名づけている。Commitment , Contribution , Compensationの3つのCである。つまりContribution=貢献に応じて、Compensation=報酬を決めていくが、その際会社も個々の従業員もお互いに業績に対して関わっていく(Commitment)ということである。
これは、日本企業にとって、実に画期的なシステムである。もともと日本企業では、給与システムが戦後の食うや食わずという時代を原点にもっているから、次のような特徴を持っていた。
1.まず会社で働く全員が食べてい...