IT技術の発達や輸送コストの低下により、現代社会はグローバル化されてきた。テレビでは世界中のニュースを流し、インターネットや電子メールを通じて簡単に外国人とコミュニケーションがもてる。自分もしくは知人に外資系企業に勤めている人がいる。モノのみならず金融商品ですら、外国為替や株式、債券を個人が直接購入できる。こうした状況はすべて、グローバリゼーションに関係している。
グローバリゼーションとは、国境を越えて多国籍化すなわち社会組織の統合によって加速された、金融・経済・社会・政治・文化的な相互結合である。
グローバリゼーションが世界中にもれなく浸透しているかというと、そうではない。グローバル化された生活スタイルをもつもたない、というのは、単に南北間の格差だけではなく、先進国にも存在する貧富の差にも存在する。だからといって、富める人が享受するグローバリゼーションは、その人の発展や幸せに直結しているわけではないし、グローバル化による弊害はさまざま存在する。
経済分野におけるグローバリゼーションのもたらした変化は、①労働や生産形態の変質②環境破壊③資本市場と国家の変化、がある。
①について、生産の...