1.視聴覚教育とは
本講義では、教育メディアの研究ということで、まず「教育メディア」とは何かということから扱った。「教育メディア」とは、一連の学習状況を具体化するものである。その中でも本講義で最も重点を置くのは、視聴覚教育である。波多野完治は『視聴覚教育の精神』の中で、「現代の視聴覚教育は、それが言語メッセージであれ映像メッセージであれ、教育を効果的にする営みである」と述べている。また、視聴覚教育を「理性的把握を与えるために、言語を伴う、豊かな、感性的体験をあたるもの」「感性的方法を使用しながら、被教育者の理性的認識を高め、これを永続的にし、かつ、実践的にするための努力」と定義している。また、中野照海は、「視聴覚教育とは、教育行為を最適(効果的)とするために、画像メッセージと言語メッセージの特質を明らかにし、これを具体化としての教授メディアの制作、選択、および利用を主たる課題とする教育理論・実践の分野である」と言っている。画像メッセージの特質としては、画像は具体である、画像は同時に多量の情報を体系的・組織的に提示できる、画像メッセージが伴うと自然な言語になる、ということが挙げられる。逆に、言語メッセージの特質としては、言語は抽象である、言語は時間系列でしか述べられない、異質な言語になるというような、言語の三大欠陥といわれるようなことが挙げられる。つまり、視聴覚教育とは、画像メッセージと言語メッセージの特質を十分に効果的に使うことにより、生徒の目標を達成するための教育方法である。
2.外国語教育の目標
わが国での外国語教育の目標は学習指導要領に表れている。元・前指導要領では、言語に対する関心を深め、基礎的な理解を得させる。
教育メディアの研究/講義のまとめ
1.視聴覚教育とは
本講義では、教育メディアの研究ということで、まず「教育メディア」とは何かということから扱った。「教育メディア」とは、一連の学習状況を具体化するものである。その中でも本講義で最も重点を置くのは、視聴覚教育である。波多野完治は『視聴覚教育の精神』の中で、「現代の視聴覚教育は、それが言語メッセージであれ映像メッセージであれ、教育を効果的にする営みである」と述べている。また、視聴覚教育を「理性的把握を与えるために、言語を伴う、豊かな、感性的体験をあたるもの」「感性的方法を使用しながら、被教育者の理性的認識を高め、これを永続的にし、かつ、実践的にするための努力」と定義している。また、中野照海は、「視聴覚教育とは、教育行為を最適(効果的)とするために、画像メッセージと言語メッセージの特質を明らかにし、これを具体化としての教授メディアの制作、選択、および利用を主たる課題とする教育理論・実践の分野である」と言っている。画像メッセージの特質としては、画像は具体である、画像は同時に多量の情報を体系的・組織的に提示できる、画像メッセー...