アメリカのNPO

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    資料紹介


     NPOとは、nonprofit organizationもしくはnot for profit organizationつまり、政府や行政をのぞいた「非営利セクター」で活動する「民間非営利組織」を意味し、現在、世界的に注目されている組織概念である。
     NPOは、アメリカの社会システムから発展してきたもので、歴史的に民間非営利組織が社会サービスの多くを提供してきた。大学、病院、美術館・博物館の多くがNPOであり、社会福祉サービスもその多くをNPOが提供している。また、アメリカでは民間団体が法人格を取得することも容易で(通常は州への届け出ですむ)、税制上も多くの減免措置が伴う。  とくに1960年代以降は、黒人解放運動や公民権運動、フェミニズム運動などが展開する過程で、行政は、社会サービスを直接供給するのでなく、NPOを通じて多様な社会ニーズに応える方向をとるようになった。またレーガン政権以降、小さな政府志向が強まり、行政府はNPOを助成金や補助金で支援することを通じて社会サービスを提供する流れが加速した。
     NPOが発達した背景には、アメリカでは政府より先にコミュニティが存在したといわれ、伝統的に地域自立で地方自治の歴史が強く、行政府に頼らずコミュニティの問題はコミュニティで解決するという伝統がある。また、多民族・多文化が進んだ都市部などでは、地域住民の多様なニーズをきめこまかくとらえてそれに応えるには、エスニック・グループごとのNPOを補助してソーシャルサービスを提供したほうが適切であり、かつ効率的だという理由も大きい。このようなアメリカ社会の歴史や伝統、社会システムに深く根ざしたNPOが、いま世界的に注目されているのは、次のような理由による。
     世界的に長期不況で政府の税収は減少する中で行政改革(行政のスリム化)がすすみ、行政府の提供できる社会サービス(社会保障、医療・保健、福祉、教育、など)の総量は減少していく。

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    NPOとは、nonprofit organizationもしくはnot for profit organizationつまり、政府や行政をのぞいた「非営利セクター」で活動する「民間非営利組織」を意味し、現在、世界的に注目されている組織概念である。  NPOは、アメリカの社会システムから発展してきたもので、歴史的に民間非営利組織が社会サービスの多くを提供してきた。大学、病院、美術館・博物館の多くがNPOであり、社会福祉サービスもその多くをNPOが提供している。また、アメリカでは民間団体が法人格を取得することも容易で(通常は州への届け出ですむ)、税制上も多くの減免措置が伴う。  とくに1960年代以降は、黒人解放運動や公民権運動、フェミニズム運動などが展開する過程で、行政は、社会サービスを直接供給するのでなく、NPOを通じて多様な社会ニーズに応える方向をとるようになった。またレーガン政権以降、小さな政府志向が強まり、行政府はNPOを助成金や補助金で支援することを通じて社会サービスを提供する流れが加速した。
    NPOが発達した背景には、アメリカでは政府より先にコミュニティが存在したと...

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